米2月コアCPI、前月比0.4%上昇―市場予想上回る

経済

2024/3/13 8:48

<チェックポイント>

●コア指数の前年比は3.8%上昇―2年10カ月ぶりの低い伸びも市場予想上回る

●航空運賃が急上昇―中古車やアパレルは上昇に転じる

●6月も利上げ見送りとの見方がやや増える

 米労働省が12日に発表した2月CPI(消費者物価指数)は、FRB(米連邦準備制度理事会)が重視しているコア指数(価格変動が激しいエネルギーと食品を除く)が前月比0.4%上昇と、前月1月の伸びと変わらず、市場予想の平均値である0.3%上昇を上回った。前年比は3.8%上昇と、前月の3.9%上昇を下回り、2年10カ月ぶりの低い伸びとなったが、市場予想の3.7%上昇を上回った。

 全体指数は前月比0.4%上昇と、1月の0.3%上昇を上回り、市場予想と一致。前年比は3.2%上昇と、1月や市場予想の3.1%上昇を上回った。伸びが加速したのはコア指数で航空運賃と中古車の上昇に加え、エネルギーが大幅上昇となったことが背景。

 前月比の内訳は、輸送サービスのうち、燃料費の高騰により、航空運賃が3.6%上昇と、1月の1.4%上昇から急加速。中古車が前月の3.4%低下から0.5%上昇、アパレルが0.7%低下から0.6%上昇にそれぞれ転じ、全体を支えた。CPIの構成ウエートの約3分の1を占める、家賃やホテル宿泊料などのシェルター価格(家賃・宿泊費)は0.4%上昇と、1月の0.6%上昇から減速した。

 エネルギー全体では2.3%上昇と、1月の0.9%低下から5カ月ぶりに上昇。特にガソリンは3.8%上昇と、1月の3.3%低下から急加速した。電気料金は0.3%上昇(1月は1.2%上昇)、都市ガス料金は2.3%上昇と、1月の2%上昇から加速している。

 食品は横ばいと、1月の0.4%上昇から伸びが減速。食品のうち、レストランなどで提供された外食価格は0.1%上昇(1月は0.5%上昇)、自宅調理用の食品も横ばいと、1月の0.4%上昇から急減速した。

 前年比の内訳は、シェルター価格が5.7%上昇と、1月の6%上昇を下回り、23年3月の8.2%上昇をピークに11カ月連続で減速。このほかでは、自動車保険や航空運賃を含めた輸送サービス全体では9.9%上昇、新車は0.4%上昇、対照的に中古車は1.8%低下だった。

 食品は2.2%上昇と、1月の2.6%上昇を下回り、11カ月連続で伸びが減速。エネルギーは1.9%低下と、1月の4.6%低下に続き、12カ月連続で低下した。

 FOMCが政策金利を変更する確率を示すCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)のFedWacthツールによると、今回のCPIを受け、3月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で政策金利が据え置かれるとの市場の見方に大きな変わりはなく、5月も利下げが見送られるとの見方が強まったほか、6月においても見送られるとの見方が増え始めている。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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