(再送)米2月中古住宅、前月比9.5%増の年率438万件―1年前の直近ピークに接近(1)
2024/3/22 9:14
<チェック・ポイント>
●住宅価格は前年比5.7%上昇―2月としては過去最高値
●住宅在庫(供給)が前年比10%超増となり、需要満たし販売急増
●住宅ローン回避の現金購入者比率が33%と、約13年ぶり高水準に
NAR(全米不動産業協会)が21日発表した2月の中古住宅販売件数(季節調整済み)は前月比9.5%増の年率換算438万件と、前月(1月)の同3.1%増に続き、2カ月連続で増加、1年前の直近ピーク(453万件)以来の高水準となった。市場予想(393万-395万件)も大幅に上回った。ただ、季節要因を無視できる前年比は3.3%減と、依然、31カ月連続で前年水準を下回っており、コロナ禍の21年の612万件(同8.5%増の612万件)、14年以来8年ぶりの低水準となった22年の503万件(同17.8%減)も下回り、低迷が長期化している。
NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ヤン氏は、2月の販売件数が増加したことについて、「2月は住宅供給が増えたことにより、住宅購入需要を満たしたため」とし、在庫増加を要因として挙げた。ただ、「購入のタイミングは住宅ローン金利と住宅在庫の選択肢が増えることによって決まる」とし、今後の販売見通しは住宅ローン金利と住宅供給に影響されると見ている。
また、市場では住宅ローン金利が23年10月の8%近いピーク時から6%台半ばまで低下した23年12月ー24年1月期に契約を結んだ住宅件数の増加が2月統計に現れたと見ている。
住宅ローン金利はフレディマック(米連邦住宅貸付抵当公社)の30年固定金利の平均約定金利でみると、直近の3月14日時点では6.74%と、前週の6.88%を下回ったが、1年前の6.60%を上回っており、7%台に再び接近し始めている。
住宅供給の過不足感を示す2月時点の未販売住宅(在庫)は前月比5.9%増(前年比10.3%増)の107万件と、前月の同2.0%増に続き、2カ月連続で増加した。依然、コロナ禍の21年の88万件や22年の96万件、23年の99万件も上回っているが、05年の住宅ブーム時の200万件を46.5%下回り、依然、供給不足が続いており、住宅価格を高止まりさせている。
また、2月の販売ペースで換算した在庫水準は2.9カ月分と、前月(3カ月)を下回り、23年3月(2.7カ月)以来の低水準となった。1年前の2.6カ月分を上回ったが、依然、適正水準とされる5-6カ月分を依然、大きく下回っている。
住宅の販売ペースを見ると、販売物件が2月中に市場に残っていた期間は38日間と、前月の36日間や1年前の34日間を上回ったが、依然、1カ月程度の短期間で売り切れるペースは変わっていない。
提供:ウエルスアドバイザー社
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