<新興国eye>トルコ2月鉱工業生産指数、前月比3.2%上昇―前年比11.5%上昇

新興国

2024/4/9 8:49

 トルコ統計局が8日発表した2月の鉱工業生産指数(21年=100)は前月比(季節・稼働日調整後)3.2%上昇の112.2と、前月(1月)の0.3%上昇から急加速、23年3月(6.2%上昇)以来、11カ月ぶりの高い伸びとなった。指数も05年統計以降では最大。

 主な内訳は、製造業が前月比3.8%上昇(前月は0.3%低下)と、伸びが急加速した。対照的に鉱業・採石業は同3.2%低下(同4.2%上昇)、電気・ガス・蒸気・空調供給業は同0.3%上昇(同4.6%上昇)と、いずれも前月から伸びが急減速した。

 2月統計で製造業が上昇に転じたが、トルコ商工会議所とS&Pグローバルが発表した最新の3月製造業PMI(購買担当者景気指数)は50.0と、前月の50.2からやや低下したが、好不況の分かれ目である「50」を2カ月連続で維持、製造業は依然、堅調となっている。新規受注は9カ月ぶりに伸びが鈍化したが、企業は生産を拡大、購買活動を活発化している。

 一方、前年比(稼働日調整後)は11.5%上昇と、前月(1月)の1.3%上昇から急加速、22年2月(12.3%上昇)以来2年ぶりの高い伸びとなった。市場予想(8.0%上昇)も上回った。直近では23年7月の8.2%上昇をピークに伸びは鈍化傾向にあった。

 鉱業・採石業の前年比は12.8%上昇(前月は4.9%上昇)と、21年7月(17.4%上昇)以来の高い伸びに急加速。製造業も11.9%上昇(同0.7%%上昇)と、21年12月(14.7%上昇)以来の高い伸びとなった。電気・ガス・蒸気・空調供給業は7.7%上昇(同8.4%上昇)と、3カ月ぶりに伸びが鈍化。

 コロナ禍が始まったばかりの20年4月、前月比は29.3%低下、前年比は31.5%低下と大幅な落ち込みを見せたが、その後、2年超にわたり、コロナ禍による低迷を脱し、着実に回復。最近では23年2月6日に南東部を襲った大規模地震(死者数5万人超)の悪影響を受け、同2月は前月比5.9%低下、前年比8.2%低下と、落ち込んだが、それ以降は地震の悪影響を脱し、持ち直している。

 セクター別の前月比は12業種中、10業種が上昇、2業種が低下した。上昇業種のうち、最も高かったのはハイテク(46.4%上昇)、次いで資本財(11.3%上昇)、製造業(3.8%上昇)で、全体平均(3.2%上昇)を上回った。

 このほかは非耐久消費財(1.9%上昇)、ローテク(1.8%上昇)、ミディアム・ローテク(1.5%上昇)、耐久消費財(1.5%上昇)、中間財(1.1%上昇)、ミディアム・ハイテク(0.6%上昇)、エネルギー供給業(0.3%上昇)の順。低下業種のうち、最も低かったのは鉱業・採石業(3.2%低下)、次いでエネルギー供給業(0.8%低下)だった。

 セクター別の前年比は全12業種が上昇。最も高かったのはハイテク(38.5%上昇)、次いで資本財(20.9%上昇)、ミディアム・ローテク(13.8%上昇)、鉱業・採石業(12.8%上昇)、耐久消費財(12.0%上昇)、製造業(11.9%上昇)で、全体平均(11.5%上昇)を上回った。

 このほかは中間財(11.4%上昇)、エネルギー供給業(11.3%上昇)とミディアム・ハイテク(11.3%上昇)、電気・ガス・蒸気供給業(7.7%上昇)、ローテク(6.6%上昇)、非耐久消費財(3.9%上昇)の順。

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 上場MSエマ<1681.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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