米3月コアCPI、前月比0.4%上昇―市場予想上回る

経済

2024/4/11 8:55

<チェックポイント>

●全体指数は前年比が前月上回る伸び―コア指数は前月から伸び変わらず

●シェルター価格、医療費、アパレル、自動車保険など上昇

●市場の6月利下げ開始観測が後退

 米労働省が10日に発表した3月CPI(消費者物価指数)は、FRB(米連邦準備制度理事会)が重視しているコア指数(価格変動が激しいエネルギーと食品を除く)が前月比0.4%上昇と前月と同率の伸びとなり、市場予想の平均値である0.3%上昇を上回った。また、前年比も3.8%上昇と前月と同じ伸びで、市場予想の3.7%上昇を上回った。

 全体指数(季節調整後)も前月比は0.4%上昇と前月と同じ伸びとなって市場予想の0.3%上昇を上回り、前年比は3.5%上昇と前月の3.2%上昇や市場予想の3.4%上昇を上回った。

 FRBがインフレ圧力として懸念しているサービス業(エネルギーを除く)全体では前月比0.5%上昇、前年比は5.3%上昇。FRBが重視しているスーパーコアCPI(コアCPIから家賃を除外)は前月比0.3%上昇、前年比は2.4%上昇だった。

 前月比の内訳は、CPIの構成ウエートの約3分の1を占める家賃やホテル宿泊料などのシェルター価格(家賃・宿泊費)が0.4%上昇となったほか、医療費が0.6%上昇、アパレルが0.7%上昇、自動車保険が2.6%上昇となり、全体を押し上げた。半面、輸送サービスのうち、航空運賃は0.4%低下、中古車は1.1%低下、新車は0.2%低下となった。

 エネルギーは1.1%上昇と、2月の2.3%上昇から伸びが鈍化した。ガソリンが1.7%上昇と、2月の3.8%上昇から急減速している。食品は0.4%上昇と、前月の伸びと変わらず。外食価格が0.3%上昇と伸びている。

 前年比の内訳は、シェルター価格が5.7%上昇。輸送サービス全体は自動車保険(22.2%上昇)に支えられて10.7%上昇となった。食品は2.2%上昇と2月の伸びと変わらなかったが、エネルギーは2.1%上昇と、13カ月ぶりに上昇に転じた。ガソリンが6カ月ぶりに上昇している。

 市場予想を上回るCPIを受け、FOMCが政策金利を変更する確率を示すCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)の「FedWacth」で6月のFOMCにおける利下げ確率が前日の56.1%から19.6%に急低下した。市場は利下げ開始時期を早くて9月以降とみている。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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