<米国株情報>USスチール、株主総会で日本製鉄による買収承認も買収完了に時間要する可能性

株式

2024/4/15 10:09

 鉄鋼大手ユナイテッド・ステイツ・スチール(USスチール)<X>は12日の臨時株主総会で、日本製鉄<5401.T>による買収を、発行済株式の約7割の賛成多数で承認した。

 ただ、外国企業による大手鉄鋼業の買収は国家安全保障の観点から問題視する声もあり、USスチールの本社があるペンシルベニア州では出身議員が買収を阻止する運動を起こしている。11月の米大統領選挙を前に共和党候補のトランプ前大統領が買収に反対の姿勢を明確に示すなか、バイデン米大統領も買収に難色を示しており、買収完了が遅れる可能性が高まっている。

 10日に岸田文雄首相とバイデン大統領が会談したあと、各紙がUSスチール買収について報道。首脳会談後の共同記者会見で、バイデン大統領が買収に反対する全米鉄鋼労組(USW)を支援するとのコミットメント(確約)を繰り返したことについて、有力紙ニューヨークタイムズは、「大統領選挙が迫る中でのバイデン大統領の買収反対は選挙での票獲得がどのように日本製鉄によるUSスチール買収や経済政策に影響を及ぼしているかを物語っている」と伝えた上で、「バイデン大統領は国家安全保障上の懸念を理由に反対を表明したことについて、鉄鋼労働者たちを応援していると本気で述べた」と報じている。

 ただ、経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、「バイデン大統領はUSスチールの外国人による支配に反対と述べたが、買収合意を阻止するとは明言していない」とし、合意阻止を主張している地元議員らとは温度差があるとしている。むしろ、司法省が市場集中への懸念から両社合併を検討しており、「USスチールの弁護士は独占禁止法の難しい審査に直面する可能性が高いと警告している」と報じている。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ