米4月コアCPI、前月比0.3%上昇―市場予想と一致

経済

2024/5/16 8:48

<チェックポイント>

●コア指数は前月比、前年比ともに前月から鈍化

●全体指数の前月比が市場予想下回る

●FRBが注視するサービス業の伸びも鈍化

 米労働省が15日に発表した4月CPI(消費者物価指数)は、FRB(米連邦準備制度理事会)が重視しているコア指数(価格変動が激しいエネルギーと食品を除く)が前月比0.3%上昇となり、市場予想の平均値と一致した。前月の0.4%上昇から鈍化し、23年10月以来6カ月ぶりの低い伸びとなる。前年比も3.6%上昇と市場予想と一致したが、前月の3.8%上昇を下回り、FRB(米連邦準備制度理事会)の物価目標である2%上昇にやや近づいた。

 また、全体指数(季節調整後)は前月比が0.3%上昇と、3月や市場予想の0.4%上昇を下回った。前年比は3.4%上昇と市場予想と一致したが、3月の3.5%上昇を下回った。

 前月比の内訳は、輸送サービスのうち、航空運賃が0.8%低下(3月は0.4%低下)、中古車が1.4%低下(同1.1%低下)、新車が0.4%低下(同0.2%低下)となった。CPIの構成ウエートの約3分の1を占める、家賃やホテル宿泊料などのシェルター価格(家賃・宿泊費)は0.4%上昇(同0.4%上昇)だった。医療費は0.4%上昇(同0.6%上昇)、自動車保険は1.8%上昇(同2.6%上昇)と、前月から伸びが鈍化した。ただ、アパレルは1.2%上昇(同0.7%上昇)と、20年6月以来、約4年ぶりの高い伸びとなった。

 FRBがインフレ圧力として懸念しているサービス業(エネルギーを除く)全体では前月比0.4%上昇と、前月の0.5%上昇を下回った。前年比も5.3%上昇と、3月の5.4%上昇を下回った。

 エネルギー全体は1.1%上昇(3月は1.1%上昇)だった。ガソリン価格が上昇したものの、電気料金は伸びが鈍化し、都市ガス料金は低下した。また、食品は横ばい(3月は0.1%上昇)。食品のうち、レストランなどで提供された外食価格が上昇したが、自宅調理用の食品は低下した。

 前年比の内訳は、シェルター価格が5.5%上昇(3月は5.7%上昇)、食品が2.2%上昇(同2.2%上昇)、エネルギーは2.6%上昇(同2.1%上昇)となっている。

 市場ではCPIの結果を受け、FRB(米連邦準備制度理事会)による利下げ開始時期が7-9月に前倒しされるとの見方を強めている。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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