香港前場:ハンセン1.4%安で3日続落、上海総合は1.0%下落

サーチナ

中国株

2024/5/23 13:43

 23日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比265.58ポイント(1.38%)安の18930.02ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が98.55ポイント(1.45%)安の6719.13ポイントと3日続落した。売買代金は697億6560万香港ドルとなっている(22日の前場は695億9710万香港ドル)。

 米利下げ期待の後退が重しとなる流れ。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(1月30~31日開催分)では、一部の参加者が「インフレリスクが高まれば、追加引き締めも正当化される」との認識を示したという。ゴールドマン・サックスのデービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は22日、利下げする根拠は見当たらないと述べ、年内の利下げ回数は現時点で「ゼロ」だとの見解を示した。香港は金融政策で米国に追随するため、域内金利の高止まりも懸念されている。米中の対立激化も警戒。米通商代表部(USTR)は22日、中国製EV(電気自動車)に課す制裁関税を8月1日に現在の4倍となる100%に引き上げる案を公表した。中国外交部は22日、台湾への武器売却に対抗し、米防衛企業12社に制裁措置を科すと発表している。(亜州リサーチ編集部)

 ハンセン指数の構成銘柄では、オンラインゲーム大手の網易(ネットイース:9999/HK)が5.0%安、自動車ディーラー大手の中升集団HD(881/HK)が3.9%安、不動産管理サービスの碧桂園服務HD(6098/HK)が3.8%安と下げが目立った。レクサス車やメルセデス・ベンツ車などを扱う中升集団については、外国製自動車の規制も不安視されている。外電は22日、業界団体からの情報として、「大排気量エンジンを搭載した自動車に対し、中国が輸入関税の引き上げを検討しているもよう」などと報じた。

 セクター別では、本土・香港の不動産関連が安い。上記した碧桂園服務のほか、中国奥園集団(3883/HK)が6.9%、融創中国HD(1918/HK)と遠洋集団HD(3377/HK)がそろって5.7%、領展房地産投資信託基金(823/HK)と恒基兆業地産(12/HK)がそろって3.7%、新世界発展(17/HK)が3.4%ずつ下落した。

 新興EV(電気自動車)メーカーの銘柄群も売られる。浙江零ホウ科技(9863/HK)が5.5%安、小鵬汽車(9868/HK)が4.8%安、理想汽車(2015/HK)が3.3%安、蔚来集団(9866/HK)が3.1%安で引けた。

 ゼネコンやセメントなどインフラ建設関連もさえない。中国中鉄(390/HK)が3.5%安、中国建築国際集団(3311/HK)が4.4%安、華潤建材科技HD(1313/HK)が4.9%安、中国建材(3323/HK)が2.8%安で前場取引を終えた。

 一方、本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前日比1.00%安の3126.82ポイントで前場の取引を終了した。不動産株が安い。素材株、消費関連株、医薬株、インフラ関連株、ハイテク株、金融株、エネルギー株、公益株なども売られた。

(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)(写真:123RF)

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