<米国株情報>時価総額トップに躍進のエヌビディア、週末に最初の試練か

株式

2024/6/20 10:16

 グラフィック・プロセッサ(GPU)大手エヌビディア<NVDA>の株価は18日に前日比3.51%高の135.58ドルと反発。時価総額は約3兆3300億ドルに達し、マイクロソフト<MSFT>の約3兆3200億ドルや、アップル<AAPL>の約3兆2900億ドル(いずれも18日終値ベース)を抜き、同社にとって初めて時価総額で世界最大の企業となった。

 5年前のエヌビディアの時価総額は米国株市場の上位20社にも入っていなかった。短期間での大躍進に市場の注目を集めているが、今後の関心は同社の株価が上昇を維持し、時価総額トップの座を守れるかに移っている。

 経済情報専門サイトのマーケットウォッチによると、市場ではエヌビディアの急激な株価上昇が時価総額トップの維持を難しくするとみている。調査会社などによるエヌビディアの目標株価の平均は123ドル前後で、18日の終値はこれを大幅に上回っているが、マイクロソフトの18日終値が446.34ドルなのに対して目標株価の平均値は485ドル前後となっており、上値余地が大きいと考えられる。

 もう一つのリスクとしてAI(人工知能)バブルの一巡を指摘する声もある。いまは企業によるAI投資が積極的だが、AIへの投資で見返りが得られない企業も出始めれば、AI投資が縮小する可能性があるという見方がある。

 一方で、目標株価を160ドルに設定しているところもあり、市場ではエヌビディアの株価見通しに強気の姿勢が目立つ。エヌビディアが組み込まれた株価指数と連動するファンドの買いも期待されているほか、今後、ダウ工業株30種平均への組み入れを期待する声も高まっているという。

 マーケットウォッチによると、市場が最も警戒しているのは今週末にエヌビディア株のコールオプション(株式を権利行使価格で取得する権利)の満期が迫っていることだ。今週末は四半期ごとに株価指数先物取引と株価指数オプション取引、個別株オプション取引の3つのデリバティブ取引の満期が到来する、いわゆるトリプルウィッチングと重なるため、大きな株価変動が予想され、高騰が続くエヌビディア株の最初の試練になるとみている。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ