香港大引:ハンセン0.3%安で4日続落、資源セクターに売り

サーチナ

中国株

2024/7/10 19:13

 10日の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比51.56ポイント(0.29%)安の17471.67ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が24.46ポイント(0.39%)安の6251.18ポイントと4日続落した(ハンセン指数は約2カ月半ぶり安値)。売買代金は1023億3980万香港ドルとなっている(9日は943億3290万香港ドル)。

 投資家の慎重スタンスが継続する流れ。6月の中国物価統計がまちまちの内容となる中、来週にかけて発表される指標を見極めたいとするスタンスが強まった(中国では、12日に6月の貿易統計、15日に6月の小売売上高や鉱工業生産などのほか、第2四半期のGDP成長率、15日までに6月の金融統計)。寄り付き直後に公表された中国物価統計は、消費者物価指数(CPI)の上昇率が前年同月比プラス0.2%(市場予想はプラス0.4%、前月はプラス0.3%)、生産者物価指数(PPI)がマイナス0.8%(同マイナス0.8%、同マイナス1.4%)という結果。CPIは下振れたものの、企業活動の目安となるPPIが事前予想通り前月から上向いた。(亜州リサーチ編集部)

 ハンセン指数の構成銘柄では、資源株の下げが目立つ。アルミ産業の中国宏橋集団(1378/HK)が6.8%安、石炭最大手の中国神華能源(1088/HK)が5.0%安、石油・化学大手の中国石油化工(サイノペック:386/HK)が3.6%安、石油大手の中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が3.5%安で引けた。中国神華能源については、中間業績の8~14%減益見通しを発表したことも嫌気されている。

 中国不動産セクターもさえない。雅居楽集団HD(3383/HK)が4.9%、融創中国HD(1918/HK)が3.7%、中国金茂HD(817/HK)が3.1%、万科企業(2202/HK)が2.5%ずつ下落した。

 半面、新興ハイテク関連の一角は物色される。中国インターネット検索最大手の百度集団(バイドゥ:9888/HK)が10.1%高、中国ライブ動画配信サービスの映客互娯(3700/HK)が5.5%高、Eコマース中国大手の京東集団(JDドットコム:9618/HK)が1.7%高、AI(人工知能)の企業の北京第四範式智能技術(6682/HK)が1.6%高で取引を終えた。百度に関しては、北京市がインターネット配車サービスの自動運転車利用を支持する方針を打ち出したこともプラス。自動運転車の配車事業に追い風が吹くと期待された。

 他の個別株動向では、中国ミネラルウォーター最大手の農夫山泉(9633/HK)が4.4%高。筆頭株主の養生堂有限公司による農夫山泉株の買い増し計画が好感されている。

 一方、本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.68%安の2939.36ポイントで取引を終了した。石炭・石油株が安い。素材株、公益株、不動産株、運輸株、インフラ建設株、医薬株なども売られた。半面、金融株は高い。消費関連株、ハイテク株も買われた。

(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)(写真:123RF)

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