来週の東京外国為替市場見通し=米小売や住宅関連指標で米経済の先行き見極め

国内市況

為替

2024/7/12 16:32

予想レンジ:1ドル=157円30銭-162円00銭

 8-11日のドル・円は上昇した。週明け8日は、前週末の米6月雇用統計を材料視したドル売り・円買いが一服し、下げ渋りの動きとなったが、NY連銀が発表した6月の消費者調査で1年先の予想インフレ率が低下したことから上値も重かった。9日は、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が米上院で議会証言に臨んだが、利下げ時期についての明言を避けるなど新味に乏しかったことから米長期金利が上昇し、ドル高・円安が進行。10日は、ユーロや英ポンドに対する円売りが対ドルにも波及し、底堅く推移した。11日、米6月CPI(消費者物価指数)が市場予想を下回り、米9月利下げ開始が意識されるなか、日本の通貨当局による介入観測もあって、ドル・円は約3週間ぶりに157円台まで急落した。

 来週(15-19日)は、米6月小売売上高のほか、米住宅関連指標も多く、米景気に対する見方が為替相場に影響しそうだ。小売売上高は消費動向を直接表すものであり、住宅の動きも家具や家電製品などの需要を左右する。

 足元の米経済指標は、月初の米6月ISM製造業/非製造業景気指数や、前週末の米6月雇用統計に加え、11日の米6月CPIと、弱いものが目立っており、9月の利下げ開始観測が浮上している一方、米経済の先行きに対する懸念も強まっている。小売や住宅関連にも弱さがみられるようだと米景気低迷を警戒したリスクオフのドル売り・円買いが強まる可能性がある。

 米経済指標では、2週間後のFOMCで金融政策を変更するかどうかの判断材料となるベージュブック(米地区連銀経済報告)もあり、確認しておきたい。また、週初は中国の4-6月期GDP(国内総生産)や6月小売売上高などの重要経済指標も多い。中国経済の先行きにも不透明感が増すようだとリスクオフの動きが強まりそうだ。

 ドル・円の上値メドは7月3日の年初来高値162円ちょうど近辺、下値メドは13週移動平均線の157円30銭近辺。

提供:ウエルスアドバイザー社

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