サウジ攻撃で原油価格急騰、「乱高下続く」との見方も、各社の市況前提をチェック

株式

2019/9/17 8:05

 サウジアラビアの国益石油会社サウジアラムコの石油施設が無人機の攻撃を受けたことで、原油相場が急騰している。16日のニューヨーク原油先物WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近物の価格は、前週末比14.7%高の1バレル=62.90ドルに上昇。北海ブレント先物も大幅に値上がりした。

 攻撃により1日当たりの石油生産量が従来の約半分の570万バレルに減少したサウジアラビアは、世界最大の産油国。世界の供給量の5%程度が停止することになる。WTIは一時63.38ドルと期近物としてはおよそ4カ月ぶりの高値を付けた。北海ブレント石油の先物相場も2割近く上げる場面があり、5月以来の高値となった。

 トランプ米大統領が事態を受け、同国の戦略石油備蓄の放出を承認したことで、原油相場の上値は抑えられている。一方、エモリキャピタルマネジメントの江守哲代表は、「こうした攻撃が今後もあるのかを見極めにくい。ないという確証があれば需給的な問題は小さいが、不透明感が強く原油価格は当面乱高下するのではないか」と話している。

 株式市場では全般的にリスクオフムードが高まる一方、商社や石油・資源などのエネルギー株には市況を思惑視した買いが入りそうだ。一方、化学や運輸、電力・ガスセクターには逆風が吹く。

<主なエネルギー関連株の原油価格前提>

 銘柄(コード) 原油価格前提(品種)

 国際帝石<1605.T> 66.2ドル(北海ブレント)

 石油資源<1662.T> 65.0ドル(CIF)

 双日<2768.T> 60.00ドル(北海ブレント)

 富士石油<5017.T> 66.00ドル(ドバイ)

 出光興産<5019.T> 70.00ドル(ドバイ)

 JXTG<5020.T> 70.00ドル(ドバイ)

 伊藤忠<8001.T> 65.00ドル(ブレント)

 丸紅<8002.T> 65.00ドル(WTI)

 三井物産<8031.T> 67.00ドル(CIF)

 住友商<8053.T> 61.00ドル(ブレント)

 三菱商<8058.T> 65.00ドル(ドバイ)

*国際帝石は19年12月期、ほかは20年3月期

提供:モーニングスター社

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