日経平均は23円安と10日ぶり小反落、中東情勢緊迫化で売り先行、一時上げ転換の場面も=17日前場

 17日前場の日経平均株価は前週末比23円55銭安の2万1964円74銭と10営業日ぶりに小反落。朝方は、売りが先行した。サウジアラビアの石油施設への攻撃による中東情勢の緊迫化や原油急騰を背景に16日の米国株式が下落した流れを受け、投資家心理が後退。前週末に9連騰した反動もあり、前場早々に一時2万1878円63銭(前週末比109円66銭安)まで下落した。一巡後は円安・ドル高を支えに上げに転じ、一時2万2041円08銭(同52円79銭高)まで切り返した。その後は上値が重くなり、再度マイナス圏入りし、前引けにかけて小安い水準で推移した。中国・上海総合指数が軟調に推移し、重しとして意識された。

 東証1部の出来高は6億4416万株、売買代金は1兆1133億円。騰落銘柄数は値上がり1204銘柄、値下がり815銘柄、変わらず130銘柄。

 市場からは「中東情勢を含め3連休中の海外情勢を織り込んでの動きだが、基本的に様子見だ。原油高でインフレ懸念が出て米利下げ観測がやや後退しており、見極めたいとの空気もある。今週の日米金融決定会合次第で材料出尽くしとなり、相場は一休みする可能性がある」(国内証券)との声が聞かれた。

 業種別では、JAL<9201.T>、ANA<9202.T>などの空運株や、川崎汽<9107.T>、商船三井<9104.T>などの海運株が軟調。信越化<4063.T>、日東電工<6988.T>などの化学株や、浜ゴム<5101.T>、TOYO<5105.T>などのゴム製品株も売られた。T&DHD<8795.T>、MS&AD<8725.T>などの保険株も値を下げた。

 半面、国際帝石<1605.T>、石油資源<1662.T>などの鉱業株や、JXTG<5020.T>、コスモエネH<5021.T>などの石油石炭製品株が上昇。オリックス<8591.T>、クレセゾン<8253.T>などのその他金融株も高い。日揮<1963.T>、千代化建<6366.T>などの建設株も買われた。

 個別では、ヤーマン<6630.T>、フリービット<3843.T>、エイチーム<3662.T>、エニグモ<3665.T>、ファーストロジック<6037.T>などの下げが目立った。半面、コロプラ<3668.T>がストップ高となり、三井海洋<6269.T>、富士興<5009.T>、ネットマーケ<6175.T>、日コンクリ<5269.T>などの上げも目立った。なお、東証業種別株価指数は全33業種中、22業種が上昇した。

提供:モーニングスター社

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