来週の東京外国為替市場見通し=FOMC議事録公表、米中貿易問題を見ながらの展開か
予想レンジ:1ドル=107円65銭-109円30銭
11月11-15日のドル・円は下落した。週初11日は、米中貿易問題の先行き不透明感や香港デモの拡大などからリスクオフのドル売り・円買いが優勢。12日は、米国株の上値が重い中、ドル・円も伸び悩み。13日は、香港デモを懸念したアジア株安からリスクオフの円買いが強まった。同日、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が議会証言で、いったん利下げを休止し現行の金利水準を据え置く姿勢を示唆。市場ではFRBが即座に利上げに転じる可能性は低いとの見方が広がり、ドル・円の上値を抑制した。14日は、中国の弱い経済指標を受け世界景気の先行き不透明感が強まり、ドル・円は下押しした。15日は、日本株が堅調に推移するなか、ドル・円の下値を拾う動きが広がった。
週央にFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録が公表される。FRBは一旦利下げを休止し現行の金利を据え置く姿勢を示している。パウエルFRB議長は14日の下院予算委員会で、リセッション(景気後退)の可能性が現時点で高まっていると考えられる理由は一切無いとしており、景気見通しに対するFRBのスタンスを改めて確認したい。
米中貿易問題の行方にも注意しておきたい。「第1段階」の合意署名に向けた調整が難航していると伝わっており、楽観ムードは後退している。米中貿易問題の先行き不透明感が高まれば、投資家心理の悪化につながり、ドル・円の上値圧迫要因となり得る。
米経済指標では10月住宅着工件数、10月建設許可件数、11月フィラデルフィア連銀景況指数、10月中古住宅販売件数などが発表される予定。ドル・円の上値めどは、8日の高値109円26銭近辺。下値めどは100日移動平均線のほか、13週移動平均線や26週線が通る107円65銭近辺。
提供:モーニングスター社
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