米11月小売売上高、前月比0.2%増―市場予想下回る

経済

2019/12/16 9:42

<チェックポイント>

●伸び鈍化でも2カ月連続で増加し堅調維持

●オンライン小売や家電など増加もアパレルやレストランは減少と、個人消費はまだら模様

●11月コア小売売上高、前月比0.1%増―10月からやや鈍化

 米商務省が13日発表した11月小売売上高(季節・営業日調整後)は速報値ベースで前月比0.2%増の5280億ドルと10月の同0.4%増(改定前は0.3%増)から2カ月連続の増加となった。しかし、市場予想の同0.5%増を下回り、11-12月の歳末商戦期の消費は思ったほど伸びなかった。市場では11月感謝祭の売上ピークが12月にずれ込んだ影響もあるとみている。

 前年比は3.3%増となり、10月の同3.2%増を上回った。

 11月の内訳は、全13業種のうち、8業種で増加し、5業種で減少した。増加幅が大きかったのは、オンライン小売の前月比0.8%増(10月は0.6%増)で、8月以来の高い伸びとなった。次いで、家電の同0.7%増(同0.8%減)、自動車・同部品の0.5%増(同1%増)で、食料品・清涼飲料水も同0.3%増(同0.2%増)、家具は同0.1%増(同0.7%減)となった。百貨店にスーパーなど量販店を加えた一般小売販売も同0.1%増(同0.3%増)となったが、百貨店だけでみると同0.6%減(同0.2%減)と、2カ月連続で減少した。

 一方、減少幅が最も大きかったのはヘルス(薬局)の前月比1.1%減(10月は0.5%増)で、約1年ぶりの大幅減となった。次いで、アパレルの同0.6%減(同0.3%減)、スポーツ用品・趣味・楽曲・書籍の同0.5%減(同0.1%減)、どのカテゴリーにも入らないその他小売の同0.4%減(同0.9%増)、レストラン・バーの同0.3%減(同0.1%減)など。建築資材・園芸は同横ばい(同0.3%減)だった。

 月ごとに変動が激しいガソリンスタンドは、ガソリン価格の上昇を反映し、前月比0.7%増と、前月の同1.7%増からさらに伸び、2カ月連続で増加した。この結果、全体の小売売上高からガソリンスタンドと自動車・同部品を除いた実質の小売売上高は同横ばい(10月は同0.2%増)にとどまり、全体の伸びを下回った。

 自動車・同部品を除いた前月比は0.1%増(同0.3%増)、ガソリンスタンドだけを除くと同0.1%増(同0.3%増)で、いずれも全体の伸びよりも低い。市場では、良好な雇用情勢や賃金の伸び、18年の歳末商戦期が低調だった反動もあり底堅さを示すと見ている一方で、今回の小売売上高の内容は自動車とオンライン小売が強い一方で、ヘルス関連やアパレル、レストラン・バーが弱いという、まだら模様の回復となったことから、個人消費は徐々に鈍化する兆しとの懸念も強まっている。

 さらに、ガソリンスタンドと自動車・同部品に加え、建築資材や飲食レストランを除いた、いわゆる“コア小売売上高”(コントロール・グループ)も前月比0.1%増と、10月の同0.3%増から弱い伸びとなった。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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