明日の日本株の読み筋=不安定な相場付きか、期末ドレッシング買い期待も新型コロナ問題は根深い

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2020/3/30 17:40

 あす31日の東京株式市場は、不安定な相場付きか。需給面では、機関投資家やファンド運用機関による3月期末・月末のドレッシング(お化粧)買い期待が指摘されるものの、新型コロナウイルス問題は根深く、状況次第では再び売り圧力が強まる可能性がある。米国における新型コロナ感染者数は現地29日時点で14万人を突破した。ファウチ国立アレルギー感染症研究所所長は同日、CNNテレビに出演し、米国で数百万人が同ウイルスに感染し、10万-20万人が死亡する可能性があると警告した。

 一方、国内でも感染者は増え続け、特に首都・東京では29日時点で新たに68人(累計430人)が確認され、1日当たりの新規感染者数としては最多となった28日の63人を更新した。菅官房長官は30日の記者会見で東京都に緊急事態宣言を出す可能性について、「ぎりぎり持ちこたえている状況」としているが、市場では「緊急事態宣言に向けて推移しており、先行きは明るくない」(準大手証券)、「感染爆発となれば下ブレの可能性が出てくる」(中堅証券)など不安視する声が聞かれる。

 30日の日経平均株価は大幅反落し、1万9084円(前週末比304円安)引け。朝方は、27日の欧米株式の大幅安を受け、リスク回避の売りが先行した。円高も重しで、3月期末配当落ち分(約180円)の影響も下押し要因となり、下げ幅は一時810円を超えた。一巡後は、日銀のETF(上場投資信託)買い期待や、時間外の米株価指数先物の切り返しを支えに大引けにかけて下げ幅縮小の流れとなった。チャート上では下落基調の25日移動平均線(1万9641円)が上値抵抗線として意識され、戻り売りを警戒する向きは少なくない。

提供:モーニングスター社

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