4月工作機械受注は前年比48%減、10年ぶりの低水準
2020/5/14 17:30
日本工作機械工業会が14日に発表した4月の工作機械受注(速報値)は新型コロナウイルスの感染拡大の影響が色濃く、総額は561億円(前年同月比48.3%減)と単月としては約10年ぶりの水準に落ち込んだ。
「欧米ほぼゼロ」の声も
受注総額はリーマン・ショック後の回復局面に当たる2010年1月以来123カ月ぶりの少なさだ。内需は212億円(前年同月比51.4%減)、外需は350億円(同46.3%減)とそれぞれ121カ月ぶり、125カ月ぶりの低レベルとなった。
あるメーカーでは「欧米はほとんど受注がゼロだった」という。同月は英国やドイツなどに続いて、米国でも全州でロックダウン(都市封鎖)に入り経済活動が事実上停止した。日本も7都府県に緊急事態宣言が発令され、その後対象が全国に広がる中、設備投資は手控えられた。
中国は終盤失速の可能性
工作機械の主要市場で唯一経済が動いていた中国向けは、一定の受注が積み上がったとみられる。感染のピークアウトが早かった同国では2月半ばから各地で工場が再開し始めたことで、前月の3月の受注は1~2月平均と比べ1割強拡大していた。ただ、経済停止期間の反動という面も大きかったようで、「4月は終盤に急激に引き合いが減った」(別のメーカーの首脳)との声も聞かれた。
4月の外需の地域別の受注内容は、26日発表の確報値で明らかになる。
(イメージ画像提供:123RF)
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