来週の日本株の読み筋=上値の重い展開か、ハイテク株物色が継続するかが焦点、需給面での警戒要因も

国内市況

株式

2020/7/3 17:31

 来週(6-10日)の東京株式市場で、主要株価指数は上値の重い展開か。2日の米ナスダック総合指数が連日で最高値を更新し、ハイテク株優位の構図が強まっている。国内でもハイテク株の寄与度が高い日経平均株価が粘り腰を発揮している。新型コロナウイルスの感染拡大が警戒されるなか、潤沢な金融緩和マネーは成長期待のある同セクターに向かっている。もっとも、新型コロナ禍をはじめ米中対立など外部環境が不透明な状況下にあって、こうした物色が今後とも継続するかどうかが焦点になる。折しも、来週はETF(上場投資信託)の分配金捻出の売りが本格化し、需給面での警戒要因として意識される。

 一方、東京都は3日、新たに124人の新型コロナウイルス感染が確認されたと発表した。前日の107人に続き、連日で100人を超え、5月25日の緊急事態宣言解除降で最多を更新した。都は2日に「感染拡大要警戒の段階」として夜の繁華街への外出を控えることなどを呼びかけているが、感染拡大の波が一段と強まれば、経済活動の制限につながりかねないだけに、引き続き動向を注視する必要がある。

 スケジュール面では、国内で7日に5月家計調査、5月景気動向指数、8日に6月景気ウォッチャー調査、9日に5月機械受注、6月工作機械受注などが発表される。海外では6日に米6月ISM非製造業景況指数、9日に中国6月生産者物価・消費者物価、10日に米6月生産者物価などが予定されている。

 なお、3日の日経平均株価は続伸し、2万2306円(前日比160円高)引けだった。朝方は、現地2日の米国株式が雇用情勢の回復を背景に上昇した流れを受け、上げ幅は一時160円を超えた。一巡は株価指数先物売りを交え、伸び悩んだ。昼休みの時間帯に、「東京都で3日、新型コロナウイルスの新規感染者が120人以上となることが関係者への取材でわかった」と伝わり、後場入り後には前日終値近辺まで上げ幅を縮小する場面があったが、その後は買い戻しに持ち直しの流れとなった。日足が収れんし、三角もち合い形成のパターンになりつつあり、「いずれはどちらかに振れるだろう」(準大手証券)との声が聞かれた。

提供:モーニングスター社

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