米6月新築住宅販売件数、前月比13.8%増の77.6万戸―市場予想上回る
2020/7/27 10:08
●1月水準を上回り、13年ぶり高水準
●新築住宅、全地区で急増―北東部は9割増と回復続く
●40万ドル以上の高額物件比率が上昇―手ごろ物件比率は低下
米商務省が24日発表した6月の新築住宅販売件数(季節調整済み)は前月比13.8%増の年率換算77万6000戸と、市場予想の68万-71万戸や、新型コロナウイルス感染拡大の影響がでる前の1月の77万4000戸を上回り、07年7月(77万8000戸)以来、約13年ぶりの高水準となった。
過去2カ月の販売件数は、5月が前回発表時の67万6000戸から68万2000戸と、6000戸の上方改定となったが、4月は58万戸から57万1000戸と、9000戸の下方改定となった。2カ月間で計3000戸の下方改定となっている。結果、4-6月の月平均の販売件数は67万6000戸と、前3カ月(3-5月)の月平均62万2000戸を約9%上回り、強い回復基調を示した。
季節要因を無視できる前年比も6.9%増と、前月の13.7%増に続いて2カ月連続で前年水準を上回った。19年全体の販売件数(前年比10.7%増の68万3000戸)と比べても、6月は19年水準を13.6%上回り、5月時点の0.1%減から大きく改善した。他方、季節調整前の6月の原数値も前月比15.6%増の7万4000戸と、2カ月連続の増加となり、07年5月(7万9000戸)以来、13年1カ月ぶりの高水準となった。
一方、6月の住宅価格は中央値(季節調整前)が前月比6.1%上昇の32万9200ドルと、5月の同1%上昇に続いて2カ月連続の上昇となった。また、前年比は5.6%上昇となったが、2月の直近ピークの33万1800ドルを下回っている。
販売価格帯をみると、40万ドル以上の高額物件の販売比率が32%と、5月の27%を上回った一方で、15万-30万ドル未満の手ごろ物件の比率は前月の44%から41%(1年前は45%)に低下し、高値物件にシフトした。
地域別の販売件数は、全体の約6割を占める南部が前月比7.2%増(前年比1.8%減)の43万4000戸と2カ月連続で増加。北東部は同89.7%増(同2.1倍)の5万5000戸、全体の約3割を占める西部は同18%増(同4.1%増)の20万3000戸、中西部は同10.5%増(同33.3%増)の8万4000戸となった。
住宅供給面をみると、6月の新築住宅在庫(着工前や建築中の住宅も含む。季節調整値)は前月比1.3%減(前年比7%減)の30万7000戸となり、18年5月(30万1000戸)以来2年1カ月ぶりの低水準となった。住宅バブル期の在庫水準(45万戸)の68%の水準にとどまっている。また、これを6月の販売ペースで計算した新築住宅の在庫水準は4.7カ月相当と、前月と1年前のそれぞれの5.5カ月相当を大幅に下回り、16年7月(4.5カ月相当)以来、約4年ぶりの低水準となった。住宅建築業界が需要と供給のバランスが取れた容認可能な水準とする6カ月相当も下回っている。
市場では、住宅ローンの申請件数が11年ぶりの高水準となっていることから、今後も販売戸数の増加を予想している。米MBA(抵当銀行協会)が22日発表した住宅ローン申請統計によると、17日終了週の購入向け住宅ローン申請件数(1990年=100)は前年比19%増となり、9週間連続で前年水準を上回った。また、新型コロナウイルス危機により、オンラインで日常業務のコミュニケーションを行うテレワークが定着する傾向があり、今後の住宅需要を押し上げるため、住宅市場の改善が進んで今年の米経済を下支えする可能性が高いとみている。
提供:モーニングスター社
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