<新興国eye>前週のブラジル株、景気回復の遅延懸念やリスク投資回避で続落=BRICs市況

新興国

2020/9/14 10:31

 前週(8-11日)のブラジル株式市場は11日のボベスパ指数が前日比0.48%安の9万8363.2、週間ベースでも4日終値比2.84%安となり、続落した。週初7日は「独立記念日」の祝日で休場だった。

 休場明け8日の指数は反落して始まった。海外市場の下落を受け、ブラジル市場でも売りが強まった。また、米中関係の悪化や20年の経済成長率見通しの悪化、原油価格の下落、さらには新型ウイルスの感染者増加で景気回復が遅れるとの懸念で売りが優勢となった。

 翌9日は反発。海外市場、特に米株市場が堅調となったことで地合いが改善。前日の下げ幅を埋めた。

 10日は大幅反落し、週末11日も値を下げ、続落した。

 10日は、米株市場が週間新規失業保険給付申請件数の減少を受け、景気回復期待で高寄りしたが、引けにかけて下落したことが嫌気され、ブラジル市場でも売りが強まった。ブラジル7月小売売上高は3カ月連続の増加となったものの、公的債務の急増や政治不安に市場の関心が集まり、リスク回避の売りが優勢となった。政府の21年度予算案に財政健全化のための財政支出削減が盛り込まれなかったため、公的債務が急増するとの懸念が広がっている。財政規律を巡っては、新型コロナ対策で財政支出拡大を支持するゲデス経済相と財政支出に上限を設けるべきと主張するボルソナロ大統領との確執が続いている。

 11日も鉱山大手ヴァーレが取締役会で配当金の支払いを決めたことを受け、6%近く急騰したが、海外市場がハイテクセクターを中心に相場が調整局面に入って乱高下したことから、ブラジル市場でも方向感のない展開となり、小安く引けた。

 今週(14-18日)の株式市場は、引き続き国内政治情勢や新型コロナ感染再拡大、欧米やアジアの経済活動再開の動向、香港問題やティックトックなど中国IT企業を巡る米中緊張、海外市場、特に米株市場、原油などの国際商品相場の動向、企業決算、さらにはブラジル中銀の金融政策決定会合(16日)などが注目される。主な経済指標の発表の予定は14日の7月IBC-Br経済活動指数など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、iSエマジン<1582.T>、上場MSエマ<1681.T>、

 iS新興国<1362.T>、上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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