米7月S&PコアロジックCS住宅価格指数、前年比4.8%上昇―6月から伸び加速

経済

2020/9/30 10:31

<チェックポイント>

●20都市圏、前年比3.9%上昇―市場予想上回る

●フェニックスとシアトル、シャーロット、タンパが大幅上昇

●10都市圏、前年比3.3%上昇―6月から伸び加速

 米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が29日発表した米7月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数(季節調整前)は、一戸建て中古住宅の価格動向を示す総合指数である全米住宅価格指数が前月比0.8%上昇の221.64と、17カ月連続で過去最高水準を更新した。

 新型コロナウイルスのパンデミック(感染症の世界的流行)が続く中で5月、6月と前月比で鈍化した伸び率も、今回(7月)は6月の同0.6%上昇(改定前と変わらず)から加速したが、S&P500指数を運営している米S&Pダウジョーンズ・インデックスのマネージング・ディレクター兼指数管理担当責任者であるクレイグ・ラザラ氏は、「パンデミックによる住宅価格の減速はもうなくなったと言えるには、もっとデータを見る必要がある」と慎重に見ている。

 季節要因を無視できる前年比は4.8%上昇と、6月(同4.3%上昇)を大きく上回った。

 市場の関心が高い主要20都市圏の価格指数(季節調整前)は前月比0.6%上昇の226.55と、6月の0.3%上昇を上回り、4カ月ぶりに伸びが加速。また、前年比は3.9%上昇と、6月の3.5%上昇を上回り、市場予想の3.6%上昇も上回った。

 都市別では、集計が可能となった19都市のうち、西部と南東部が顕著な伸びとなった。フェニックスは前年比9.2%上昇と最も高い伸びを示し、14カ月連続でトップ。次いで、シアトルが同7.0%上昇、シャーロットは同6.0%上昇、タンパは同5.9%上昇、クリーブランドとサンディエゴが同5.5%上昇、ミネアポリスは同5.2%上昇となった。そのほか、高い伸びとなったのはポートランドが同5.0%上昇、アトランタが同4.8%、デンバーが同4.4%上昇、マイアミも同4.1%上昇となっている。

 反対に北東部の大都市圏では、ニューヨークが同1.3%上昇、シカゴは同0.8%上昇と低い伸びが続いている。今回の統計でも20都市中、デトロイトだけがパンデミックの影響で調査できなかった。

 一方、主要10都市圏の価格指数(季節調整前)は前月比0.6%上昇の238.32と、6月の同0.2%上昇を上回り、4カ月ぶりに加速。前年比も3.3%上昇と、6月(2.8%上昇)を上回った。

 今後の見通しについて、市場では、住宅価格の上昇ペースの加速が秋まで続くとみている。住宅ローン金利が過去最低水準に低下し、新型コロナ感染を避けるためのテレワークの普及で、より大きな住宅を購入する需要が強い一方で、木材価格の上昇で住宅建築が限定的となり、また、住宅の買い替え希望者も住宅価格の下落を回避しようと市場への売り出しを躊躇しているため、供給(在庫)がひっ迫し、パンデミック下でも住宅価格は低下しにくい状況となっている。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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