<新興国eye>トルコ、新中期経済計画を発表―21年成長率5.8%目指す

新興国

2020/10/1 10:28

 トルコのベラト・アルバイラク財務相は9月29日、21-23年の新中期3カ年経済計画を発表した。20年の経済成長率は新型コロナウイルスのパンデミック(感染症の世界的流行)の悪影響により、標準シナリオで0.3%減(最悪シナリオで1.5%減)に落ち込むと予想したが、21年は5.8%増(同3.7%増)とV字回復し、22年と23年はいずれも5%増の安定成長に戻るとの見通し。地元紙ヒュリエトなどが伝えた。

 前回、19年9月に発表した中期計画(20-22年)では、20-22年の成長率の達成目標をいずれも5%増としていたが、今回発表した新計画では20年の成長率見通しを大幅に下方修正した一方で、21年は経済活動が正常化するとし、成長率見通しを大幅に上方修正した。22年以降の見通しは据え置いた。

 また、同相は、20年の10-12月期GDP(国内総生産)の見通しについて、「前期(7-9月期)に比べ、伸びは鈍化する」とした。4-6月期は同9.9%減、1-3月期は同4.4%増だった。

 インフレ率の見通しについては、20年末時点で10.5%上昇(前回予想は8.5%上昇)、21年末時点は8.0%上昇(同6.0%上昇)、22年末時点は6.0%上昇(同4.9%上昇)に修正。23年末時点は4.9%上昇を新たな目標とした。

 失業率の見通しは20年末時点で13.8%(前回予想は11.8%)、21年末時点で12.9%(同10.6%)と、いずれも悪化方向に修正した。23年末時点は10.9%としている。

 財政規律については、財政赤字の対GDP比は20年が4.9%、21年は4.3%、22年は3.9%、23年は3.5%と徐々に改善していくと予想している。20年の経常赤字の対GDP比は3.5%と予想した。

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提供:モーニングスター社

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