<新興国eye>カンボジア公的債務統計―債務状況は問題ないレベル
2020/10/16 10:54
カンボジア経済財政省は10月1日、2020年公的債務統計報告書(Cambodia Public Debt Statistical Bulletin)を公表しました。2020年6月末現在のカンボジア政府の債務状況について詳細な統計により報告しています。
1993年から2020年6月末までの累積で見ると、借款契約の総額は130億7694万ドル(約1兆3731億円)となっています。そのうち、87.0%がインフラ整備に向けたものです。
借入国別では、中国からが最大で49億5593万ドル(全体の37.9%)。以下、アジア開発銀行29億422万ドル(22.2%)、日本16億9025万ドル(12.9%)、世界銀行13億7475万ドル(10.5%)、韓国9億1637万ドル(7.0%)などとなっています。2020年6月末の公的対外債務残高は、79億218万ドル(約8297億円)に上ります。
債務持続性分析を見てみると、公的対外債務の現在価値の対GDP比率は23.0%(基準値40%)、同対輸出比率34.1%(同180%)、債務返済比率(債務返済の対輸出比率)1.9%(同15%)、債務返済の対歳入比率7.6%(同18%)と、いずれも健全とされる基準値よりも相当に良い状況であり、全く問題ありません。ストレステストでも基準値を超えることは全くない状況です。対外債務については、カンボジアは大変な優等生ということができます。
カンボジアは、世界銀行・IMF(国際通貨基金)の判定でも「低リスク国(青信号国)」に分類されています。
【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。82年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。2007年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin-Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。
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提供:モーニングスター社
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