<米大統領選>バイデンVSトランプ銘柄を探る(1)

株式

2020/10/27 16:08

 1週間後に迫った米国の大統領選挙・議会選挙へ向け、共和党のトランプ大統領と民主党のバイデン前副大統領の争いは最終盤に突入した。株式新聞ではそれぞれの陣営が勝利した場合に、追い風が強まるとみられる注目銘柄を連載で取り上げていく。

<バイデン関連>

 T&DHD―金利上昇で運用環境改善へ、同業比較の選択妙味も

 支持率で優位に立つバイデン前副大統領のホワイトハウス入りを織り込むように、米国債の利回りが足元で上昇(価格は下落)している。「大きな政府」を標ぼうする民主政権の誕生により、財政支出が拡大すると考えられていることが要因だ。金利上昇が運用環境の改善につながるとみられる保険株は一段と買われやすくなる。

 そこで狙いたいのがT&Dホールディングス<8795.T>。現値は3月の年初来安値の約1.58倍と第一生命ホールディングス<8750.T>の1.63倍に比してやや出遅れ感がある。また、昨年12月の高値1445円に対しては2割強下落した水準にあり、バリュエーションを踏まえると見直し余地は大きい。

 新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融緩和は長期化が見込まれる。財政支出の拡大と相まって、米金利は利回り曲線が右肩上がりになる「スティープ化」が進みやすい情勢。保険会社の事業環境には好材料だ。特に同社は新契約が好調に推移している上、不祥事の表面化した第一生命HDやかんぽ生命保険<7181.T>といった同業よりも選択されやすいとみられる。

<トランプ関連>

 国際帝石―「サプライズ」なら買い戻し、油価回復は長期目線

 温室効果ガス排出削減のための国際的枠組み「パリ協定」からの脱退からも分かる通り、トランプ大統領といえば化石燃料業界だ。対するバイデン前副大統領が環境政策の強化を公約しているため、資源株の国際石油開発帝石<1605.T>は大統領選の結果によって方向感が180度変わってくる可能性がある。

 もっとも、国際帝石の相場は「バイデン政権」の下でのクリーンエネルギーシフトのシナリオを半ば織り込んでいるようだ。コロナ・ショック後の原油先物価格が低位ながら持ち直して横ばいで推移する一方、国際帝石の株価は足元で下値を模索している。サプライズでトランプ陣営が勝利した場合、買い戻しが膨らむ公算だ。

 新型コロナの影響で目先の原油需要は伸びにくいものの、長期的には経済回復に伴う先物価格の上昇が期待される。また、11月末のOPEC(石油輸出国機構)総会、12月1日の非加盟国を含むOPECプラス閣僚会合で減産緩和時期が先送りされた場合は、相場が押し上げられそうだ。国際帝石は既にPBR(株価純資産倍率)0.2倍台の水準までたたき売られており、状況が転じた際の再評価余地が大きい。

提供:モーニングスター社

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