米20年11月S&P/ケース・シラー住宅価格指数、前年比9.5%上昇―6年9カ月ぶりの高い伸び

経済

2021/1/27 9:53

<チェックポイント>

●20都市圏、前年比9.1%上昇に加速―市場予想大幅に上回る

●フェニックスとシアトル、サンディエゴの上昇傾向続く

●10都市圏、前年比8.8%上昇に加速

 米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が26日発表した米20年11月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数(季節調整前)は、一戸建て中古住宅の価格動向を示す総合指数である全米住宅価格指数が前月比1.1%上昇の232.38と、伸びは10月の同1.4%上昇を下回ったが、季節要因を無視できる前年比は9.5%上昇と、10月の同8.4%上昇から一段と伸び、6カ月連続で加速。14年2月以来6年9カ月ぶりの高い伸びとなった。

 S&P500指数を運営している米S&Pダウジョーンズ・インデックスのマネージング・ディレクター兼指数管理担当責任者であるクレイグ・ラザラ氏は、「11月の強い結果は、新型コロナのパンデミック(感染症の世界的大流行)を受けて、住宅取得者が都心のアパートから郊外の一戸建てへの住宅購入にシフトしたためだ」とし、今後も価格の上昇勢いが続くとの見方を示した。

 市場の関心が高い主要20都市圏の価格指数(季節調整前)も前月比は1.1%上昇の238.48と、伸び率は10月の1.3%上昇を下回ったが、前年比は9.1%上昇と、市場予想の8.7%上昇や10月の同8.0%上昇を大幅に上回り、14年5月以来6年6カ月ぶりの高い伸びとなった。

 都市別では、集計が可能となった19都市のうち、西部と南東部の顕著な伸びが続いている。フェニックスは前年比13.8%上昇と、最も高い伸びを示し、18カ月連続でトップとなった。次いで、シアトルが同12.7%上昇、サンディエゴが同12.3%上昇、ボストンが同10.4%上昇、クリーブランドも同9.8%上昇、タンパとポートランドがいずれも同9.5%上昇、シャーロットとミネアポリスがいずれも同9.4%上昇となった。

 北東部の大都市圏ではニューヨークが同8.2%上昇と、10月から伸びが加速。このほか、シカゴは同7.5%上昇、ダラスは同7.2%上昇と、全国平均(9.5%上昇)を下回ったが、伸び自体は10月から加速している。今回の統計でも20都市中、デトロイトだけがパンデミックの影響で調査できなかった。

 主要10都市圏の価格指数(季節調整前)は前月比1.2%上昇の251.65と、10月の同1.4%上昇を下回り、5カ月ぶりに伸びが減速した。一方、前年比は8.8%上昇と、10月(7.6%上昇)を上回った。価格指数は金融危機前の06年6月のピーク(226.29)を21カ月連続で上回っている。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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