<新興国eye>前週のロシアRTS指数、対ロ制裁懸念や米株急落で4週ぶり反落=BRICs市況

新興国

2021/3/1 11:07

 前週(2月22-26日)のロシア株式市場はRTS指数(ドル建て)の26日終値が前日比2.65%安の1411.93、前週比(20日終値比)でも3.68%安となり、4週ぶりに反落した。23日は「祖国防衛の日」の祝日のため、休場だった。

 週明け22日の指数は売り優勢で始まり、23日休場を挟んだ24日も値を下げ、3営業日続落した。

 22日は、ロシアによる20年の米連邦政府機関へのハッキング攻撃を受け、米政府が対ロ制裁について近く最終判断を示す見通しとなったことや、EU(欧州連合)もロシア反体制派指導者ナワリヌイ氏に対する処遇をめぐり、対ロ追加制裁を決めたことが売り材料となった。また、金属大手ノリリスク・ニッケルの極東シベリア工場の一部が崩壊し、従業員3人が死亡したことが嫌気され、4%近く急落したことも、指数の押し下げにつながった。

 24日は、ノリリスクのシベリア工場の幹部が司法当局によって逮捕されたことや、事故原因と関係がある2カ所の鉱山が操業停止となったことで一段安となり、指数の下げを主導した。

 25日は小反発。買い戻しが入った一方、ブレント原油先物が1バレル=67ドルを割り込んだことや、ノリリスクの下げが止まらず、指数の戻りは限られた。

 週末26日は急反落した。米国でインフレが加速するとの観測から長期債利回りが急伸したことを受け、金融引き締め懸念が強まったことや、今後、米国債市場に資金が集まるとの憶測で米株市場が急落し、ロシア市場でも売りが広がった。また、原油先物価格が66.2ドルに下落したことも嫌気された。

 今週(3月1日-5日)のロシア市場は引き続き、新型コロナ感染や変異ウイルス、ワクチン接種などの動向、世界経済、特に米国の景気対策やインフレ懸念、対ロ制裁、ロシア国内の景気対策や原油価格、ルーブル相場、反体制派指導者ナワリヌイ氏の動向などが焦点となる。このほか、原油価格に影響を与える2日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や3日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な国内経済指標の発表予定は1日の2月ロシア製造業PMI(購買担当者景気指数)や3日の2月ロシア・サービス業PMI、5日の2月CPI(消費者物価指数)など。今週は原油安で利益確定売りが強まり、指数は1350-1450ポイントの取引が予想される。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、iSエマジン<1582.T>、iS新興国<1362.T>、

 WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、原油<1690.T>、

 野村原油<1699.T>、iエネルギー<2024.T>

提供:モーニングスター社

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