<新興国eye>前週のブラジル株、米長期金利上昇懸念や国営2社急落で3週続落=BRICs市況

新興国

2021/3/1 11:10

 前週(2月22-26日)のブラジル株式市場は26日のボベスパ指数が前日比1.98%安の11万0035.2、週間ベースでも19日終値比7.09%安となり、3週続落した。

 週明け22日の指数は大きく値を下げ、3営業日続落して始まった。ボルソナロ大統領が前の週末、ブラジル国営石油大手ペトロブラスのガソリンやディーゼル油、LPG(液化石油ガス)の値上げ発表を受け、同社のロベルト・カステッロ・ブランコ総裁を解任し、ジョアキン・ルナ元国防相を新総裁に指名したことから、市場では大統領による国営企業に対する経営介入リスクが高まったとの懸念が広がり、ペトロブラスや国営のブラジル銀行が急落し、指数の下げを主導した。

 23日は反発し、24日も値を上げ、続伸。23日は、ペトロブラスを買い戻す動きが活発化。24日は、FDA(米食品医薬品局)がジョンソン・エンド・ジョンソンの開発品である新型コロナワクチンについて、有効性や安全性に問題がないとの見解を発表し、米経済正常化への期待が高まったほか、ボルソナロ大統領が国営企業のブラジル中央電力の民営化を加速させると発表したことを受け、ブラジル中央電力が急伸し、指数の上げを主導した。

 25日は反落し、週末26日も値を下げ、続落した。25日は、米国でインフレ加速観測から長期債利回りが急伸したことを警戒し、米株市場が急落。ブラジル市場でもリスク回避の売りが強まった。26日は、コロナ禍の給与支援措置による財政赤字拡大懸念やペトロブラスをめぐる政治混乱懸念が広がる中、ペトロブラスとブラジル銀行が再び急落し、指数の下げを主導した。

 今週(3月1日-5日)の株式市場は、新型コロナ感染拡大やワクチン接種の動向に加え、新型コロナ関連の政府の追加緊急支援や財政健全化問題、ペトロブラス問題、米国の景気・インフレ動向、米中関係、欧米やアジアの市場動向、原油などの国際商品相場の動向などが注目される。主な経済指標の発表予定は1日の2月貿易収支と2月マークイット製造業PMI(購買担当者景気指数)、2日の2月IPC-Fipeインフレ指数(サンパウロ大学経済研究所が発表する消費者物価指数)と1月PPI(生産者物価指数)、3日の20年10-12月期GDP(国内総生産)と2月マークイット・サービス業PMI、5日の1月鉱工業生産と2月自動車生産・販売台数など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、iSエマジン<1582.T>、上場MSエマ<1681.T>、

 iS新興国<1362.T>、上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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