<新興国eye>前週のブラジル株、米経済の高い成長率見通しを好感し反発=BRICs市況

新興国

2021/3/22 13:49

 前週(15-19日)のブラジル株式市場は19日のボベスパ指数が前日比1.21%高の11万6221.6、週間ベースではもみ合い基調だったが12日終値比1.81%高となり、反発した。

 週明け15日の指数が反発して始まった。バイデン米大統領が前の週、1兆9000億ドルの追加景気刺激策を盛り込んだ経済対策法に署名したことや、ブラジル国内でも前の週末、追加緊急支援を可能にするため、財政支出の伸びを抑制し、債務不履行の事態を回避する憲法補足法(PEC)の改正案が下院で承認されたことが支援材料となった。

 16日は反落。ブラジル中銀が利上げに踏み切るとの観測が強まり、売り優勢となった。

 17日は急反発した。FRB(米連邦準備制度理事会)がFOMC(米連邦公開市場委員会)で金融政策の現状維持を決定したほか、21年米成長率見通しを6.5%増と、37年ぶりの高い伸びを予想したことが好感され、ブラジル株にも買いが広がった。

 18日は再び反落。米長期金利が急伸したほか、ブラジル中銀が政策金利を市場予想(0.5ポイント)を超え0.75ポイント引き上げ2.75%にしたことが警戒され、売り優勢となった。

 週末19日は反発した。米長期金利が急低下したほか、ボルソナロ大統領とコスト削減をめぐって対立していた国営金融大手ブラジル銀行のアンドレ・ブランドン頭取が4月1日付で辞任すると発表したことが買い材料となった。ボルソナロ大統領はブランドン頭取の200支店の閉鎖と5000人超の従業員解雇を柱とした厳しいコスト削減計画に強く反対していた。

 今週(22-26日)の株式市場は、新型コロナ感染拡大やワクチン接種の動向に加え、新型コロナ関連の政府の追加緊急支援や財政健全化問題、米国の景気・インフレ・長期金利動向、米中関係、欧米やアジアの市場動向、原油などの国際商品相場の動向などが注目される。主な経済指標の発表予定は23日の3月ジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)消費者信頼感指数や25日の3月中旬時点IPCA(拡大消費者物価指数)、26日の2月経常収支など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、iSエマジン<1582.T>、上場MSエマ<1681.T>、

 iS新興国<1362.T>、上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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