来週の日本株の読み筋=日経平均2万8000円台での値固めが焦点

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株式

2021/5/14 17:23

 来週(17-21日)の東京株式市場で、日経平均株価は2万8000円台での値固めが焦点となる。14日の同指数は4日ぶりに大幅反発し、2万8084円(前日比636円高)引けとなった。米長期金利の上昇一服などを背景に13日の米国株式が上昇し、きのう大幅に3日続落(合計2070円安)した反動から、値戻しが進んだ。直近3連敗の下げに対しては限定的な反転にとどまるものの、マザーズ指数の降下も一服するなどひとまず体勢を立て直しつつある。

 企業の決算発表はピークの14日で一巡したが、各社の状況はおおむねコロナ禍から持ち直しつつあり、今期の見通しも悪くない。15日の米株市場次第の面はあるが、来週の日本株はまだ残る先行き不透明感の中で、相対的に需要の強いセグメントへの物色を頼りに下値を固められるかがポイントになる。トヨタ自動車<7203.T>周辺や、MLCC(積層セラミックコンデンサー)などのスマートフォン・車載用の電子部品、建設機械、発電プラントといった領域がこれに当たる。また、前週売り込まれたグロース(成長)株の半導体関連株は、14日の反発の勢いを維持する展開も期待される。

 ただ、バリュー(割安)株については判断が難しい。景気敏感業種が多く、これまでグロースから逃避した資金の受け皿となってきたが、ここ直近で一部の国際商品市況が反落している点が気が掛かり。金融当局によるインフレ抑制を市場がうかがうことで、マネーの逆回転が起きる可能性には注意したい。

 スケジュール面では、国内で18日に1-3月期GDP、20日に4月貿易統計が発表される。海外では17日に中国4月工業生産、中国4月都市部固定資産投資、中国4月小売売上高、18日に米4月住宅着工件数などが予定されている。

提供:モーニングスター社

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