信和、転落防ぐ「手すり先行工法」が拡大―物流向けパレットも堅調

株式

2021/5/27 9:15

 建設現場で安全を確保する動きが広がり、信和<3447.T>の手すり先行工法が浸透する。物流向けの搬送用パレットも需要拡大が続いている。

 同社は建設現場で使用する仮設資材の大手。システム足場では国内トップシェアを誇る。多くの建設現場で同社製品が使われ、住宅やアパートのほか、高層マンションのような大規模な工事にも採用されている。

 前21年3月期は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、連結売上収益が138.9億円(前々期比18.7%減)、営業利益は18.5億円(同16.2%減)にとどまった。一方、建設現場に手すりを先行して施工し、安全性を高める「手すり先行工法」を伸ばしたことで、粗利益率は前々期比0.8%ポイント増の26.1%に改善した。公共工事における安全確保が重視されていることで、同工法が支持を集めている。

 また、第2の柱と位置付ける物流機器事業は、自動車や半導体産業の持ち直しにより、搬送用パレットが好調。倉庫向けの物流機器の新たな案件を獲得したほか、化学品などの液体搬送用のコンテナや物流用ラックも伸びている。

 今3月期の売上収益は150億円(前期比8.0%増)、営業利益は17億円(同8.3%減)を見込む。原材料の鋼材価格の上昇が響くが、好採算の手すり先行工法や、物流部門の売上拡大が期待される。自社株買い枠の設定(上限3億円、38万株<発行済株式総数の2.69%>)も下支えとなりそうだ。

提供:モーニングスター社

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