日経平均は55円安と反落、引けにかけ上値重い、米CPI控え様子見も=8日後場

 8日後場の日経平均株価は前日比55円68銭安の2万8963円56銭と反落。朝方は、買いが先行した。7日の米ナスダック総合指数高を受け、値がさハイテク株の一角などが値を上げ、小高く寄り付いた。いったん下げに転じたが、まとまった先物買いをきっかけに再びプラス圏入りし、一時2万9140円68銭(前日比121円44銭高)まで上昇した。一巡後は、先物売りを交え再度軟化。中国・上海総合指数や香港ハンセン指数の下げも重しとなり、後場の早い段階で2万8897円64銭(同121円60銭安)まで下落した。その後、小幅高に引き戻す場面もあったが、買いは続かず、大引けにかけてはマイナス圏で上値の重い動きとなった。10日に米5月CPI(消費者物価指数)の発表を控えていることもあり、様子見気分が強まった。

 東証1部の出来高は9億2866万株、売買代金は2兆1864億円。騰落銘柄数は値上がり1399銘柄、値下がり692銘柄、変わらず102銘柄。

 市場からは「新しいネタがなく、手が出せないようだ。海外投資家は日本のワクチン接種率の上昇には一定の評価をしているようだが、やはり米5月CPIや、来週のFOMC(米連邦公開市場委員会)が気になり、動きづらい」(欧州系証券)との声が聞かれた。

 業種別では、王子HD<3861.T>、北越コーポ<3865.T>などのパルプ紙株や、住友鉱<5713.T>、古河電工<5801.T>などの非鉄金属株が軟調。ダイキン<6367.T>、クボタ<6326.T>などの機械株や、第一生命HD<8750.T>、東京海上<8766.T>などの保険株も売られた。INPEX<1605.T>などの鉱業株や、信越化<4063.T>、三井化学<4183.T>などの化学株も安い。ブリヂス<5108.T>、浜ゴム<5101.T>などのゴム製品株もさえず、SUMCO<3436.T>、ニッパツ<5991.T>などの金属製品株も値を下げた。

 半面、川崎汽<9107.T>、郵船<9101.T>、商船三井<9104.T>などの海運株が上昇。エーザイ<4523.T>がストップ高配分となり、第一三共<4568.T>、大日住薬<4506.T>などの医薬品株も高い。関西電力<9503.T>、中部電力<9502.T>、大阪ガス<9532.T>などの電気ガス株や、JAL<9201.T>、ANA<9202.T>などの空運株も堅調。近鉄エクス<9375.T>、三井倉HD<9302.T>などの倉庫運輸関連株や、京王<9008.T>、SGHD<9143.T>などの陸運株も値を上げた。

 個別では、レーザーテク<6920.T>、ファイバーG<9450.T>、グレイス<6541.T>、DNC<4246.T>、アイル<3854.T>などの下げが目立った。半面、ペッパー<3053.T>がストップ高となり、大真空<6962.T>、日電波<6779.T>、NCHD<6236.T>、ツカダGH<2418.T>などの上げも目立った。なお、東証業種別株価指数は全33業種中、17業種が上昇した。

(写真:123RF)

提供:モーニングスター社

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