米4月S&PコアロジックCS住宅価格指数、前年比14.6%上昇―過去最高の伸び

経済

2021/6/30 11:05

<チェックポイント>

●20都市圏、前年比14.9%上昇に加速―市場予想上回る

●20都市圏、シカゴを除き前年比2ケタ成長

●10都市圏、前年比14.4%上昇に加速

 米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が29日発表した4月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数(季節調整前)は、一戸建て中古住宅の価格動向を示す総合指数である全米住宅価格指数が前月比2.1%上昇の249.04と、3月の同2.0%上昇を上回った。季節要因を無視できる前年比も14.6%上昇し、11カ月連続で上昇、統計開始以来の過去最高の伸びとなった。

 S&P500指数を運営している米S&Pダウジョーンズ・インデックスのマネージング・ディレクター兼指数管理担当責任者であるクレイグ・ラザラ氏は、「4月の住宅価格の加速は尋常ではない。4月の加速も3月と同様、新型コロナのパンデミックを受け、住宅取得者が都心のアパートから郊外の一戸建てに住宅購入をシフトさせているという見方と一致する。住宅購入需要は数年先取りする形で、急ピッチで加速している」と指摘している。

 市場の関心が高い主要20都市圏の価格指数(季節調整前)は前月比2.1%上昇の257.1と、3月の2.2%上昇を下回ったものの、前年比は14.9%上昇と、3月の伸び(13.4%上昇)を上回り、10カ月連続で伸びが加速し、市場予想の14.6%上昇も上回った。

 都市別では、3月と同様、西部と南東部が顕著な伸びとなっている。フェニックスは前年比22.3%上昇と、最も高い伸びを示し、23カ月連続でトップとなった。次いで、サンディエゴが同21.6%上昇、シアトルも同20.2%上昇。ボストンは同16.2%上昇、ダラスは同15.9%上昇、タンパとポートランド、デンバーはいずれも同15.4%上昇だった。このほか、サンフランシスコが15.1%上昇、シャーロットは同15.0%上昇、ロサンゼルスも14.7%上昇など、いずれも全国平均(14.6%上昇)を上回った。唯一、シカゴだけが9.9%上昇と2ケタには届かなかった。

 主要10都市圏の価格指数(季節調整前)も前月比1.9%上昇の270.21と、3月の同2.0%上昇を下回ったが、依然高い伸びが続いている。一方、前年比は14.4%上昇と、3月(12.9%上昇)を上回った。価格指数は金融危機前の06年6月のピーク(226.29)を26カ月連続で上回っている。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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