来週の日本株の読み筋=需給イベント発生で一段の売り圧力に注意も
来週(5-9日)の東京株式市場は、ETF(上場投資信託)絡みの需給イベントが発生することもあり、一段の売り圧力に注意したい。日経平均やTOPIX(東証株価指数)などの指数連動型ETFの決算日(分配金支払い基準日)に絡む、分配金のねん出売りが想定される。決算日は7月8日と9日に多く、8000億円規模の売り需要が見込まれている。ETF分配金のねん出売りは毎年恒例のイベントであるため、過去の動きが参考になる。野村証券によれば、2017年以降のTOPIXは7月8日にかけて上値が重く、通過後は一時的に緩やかな上昇に転じやすい傾向があるという。いわば、来週は陰の極を迎えそうだ。
また、東京では新型コロナウイルス感染者数が再拡大し、東京五輪に対する警戒も根強い。先高感の乏しさが、主に外国人投資家が日本株から資金を引き揚げる動きにつながっているとみられる。ただ、7月下旬から本格化する日本企業の決算発表の内容次第で、縮小している日本株の持たざるリスクを刺激することも考えられる。
スケジュール面では、国内で7日に5月景気動向指数、8日に6月景気ウォッチャー調査などが発表される。海外では6日に独7月ZEW景況感指数、米6月ISM非製造業景況指数、9日に中国6月消費者物価、中国6月生産者物価などが予定されている。
2日の日経平均株価は5日ぶりに反発し、2万8783円(前日比76円高)引け。朝方は、1日の米国株高や円安・ドル高を支えに強含んで始まった。直後に小安くなる場面もあったが、買い気は根強く盛り返し、上げ幅は一時140円を超えた。一巡後は戻り売りに伸び悩み商状となり、大引けにかけては2万8700円台後半で膠着した。新規の手がり材料に乏しいなか、今晩(日本時間)に米6月雇用統計の発表を控え、様子見気分が強まった。
提供:モーニングスター社
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