<新興国eye>トルコ6月CPI、前年比17.53%上昇に加速―市場予想上回る

新興国

2021/7/7 11:27

 トルコ統計局が5日発表した6月CPI(消費者物価指数、03年=100)は前年比17.53%上昇と、5月の16.59%上昇から伸びが加速した。市場予想のコンセンサスである17%上昇(予想レンジは15.9-17.54%上昇)も上回った。

 同国のCPI伸び率は18年10月に前年比25.24%上昇と、25%を突破したが、それ以降は政府のインフレ対策や中銀による大幅な金融引き締め政策により低下し始め、19年10月には8.55%上昇と、16年12月(8.53%上昇)以来2年10カ月ぶりの低水準となった。しかし、パンデミックの悪影響が強まった20年の5月はサプライチェーン(部品供給網)の寸断により、11.39%上昇と、3カ月ぶりに加速に転じ、6月(12.62%上昇)まで2カ月連続で加速。その後、パンデミックが一服し、サプライチェーンが正常化したことを受け、7月は11.76%上昇と、3カ月ぶりに伸びが鈍化。8-10月もほぼ横ばいだったが、11月以降、伸びは加速傾向にある。

 全体指数から値動きの激しい食品やエネルギーなどを除いたコアCPI(グループC)も前年比17.47%上昇と、5月の16.99%上昇から伸びが加速し、4月の17.77%上昇以来2カ月ぶりの高い伸びとなった。

 政府が20年9月29日に発表した21-23年の新中期3カ年経済計画では、インフレ率の見通しは21年末時点が8.0%上昇、22年末時点は6.0%上昇、23年末時点は4.9%上昇を予想している。

 他方、トルコ中銀は4月29日に発表した最新の四半期インフレ報告書で、21年末時点のインフレ率見通しを12.2%上昇(予想レンジは10-14.4%上昇)とし、前回3月調査時点の9.4%上昇(予想レンジは7.3-11.5%上昇)から大きく引き上げた。22年末時点の見通しも前回予想の7.0%上昇から7.5%上昇に引き上げた。ただ、23年末時点では物価目標の5%上昇に収束するとの予想を据え置いている。

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 上場MSエマ<1681.T>

提供:モーニングスター社

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