日経平均は177円安と3日続落、2万8000円割れ、売り一巡後は急速に下げ幅を縮小=9日後場

 9日後場の日経平均株価は前日比177円61銭安の2万7940円42銭と3日続落。2万8000円割れは5月17日(終値2万7824円83銭)以来。

 朝方は、売り優勢で始まった。変異ウイルス・デルタ株の感染拡大や景気回復の鈍化懸念を背景に7日の欧米株式が下落した流れを受け、投資家心理が悪化した。指数連動型ETF(上場投資信託)の分配金捻出に伴う売りや、時間外取引の米株価指数先物安なども重しとなり、下げ幅を拡大し、一時2万7419円40銭(前日比698円63銭安)まで下落した。売り一巡後は急速に下げ幅を縮小した。株価指数先物買いを交え、大引け間際には2万8000円02銭(同118円01銭安)まで引き戻した。市場では、日銀のETF(上場投資信託)買い思惑や年金買い観測が指摘された。なお、この日算出の日経平均先物ミニ・オプション7月限のSQ(特別清算指数)値は2万7726円72銭。

 東証1部の出来高は14億2564万株、売買代金は3兆3239億円。騰落銘柄数は値上がり907銘柄、値下がり1175銘柄、変わらず110銘柄。

 市場からは「日銀のETF買いは微妙だが、年金買いの可能性はあり、下げ渋るとともに短期筋の買い戻しが広がったとみられる。ただ、目先、自律反発があったとしても、これでボトム確認とは言い切れない。コロナ変異種の感染拡大や景気指標の頭打ちなどといった懸念要因が改善しないと上値は難しい」(準大手証券)との声が聞かれた。

 業種別では、ダイキン<6367.T>、日立建機<6305.T>、菱重工<7011.T>などの機械株が軟調。ブリヂス<5108.T>、TOYO<5105.T>、浜ゴム<5101.T>などのゴム製品株や、川崎汽<9107.T>、郵船<9101.T>、商船三井<9104.T>などの海運株も安い。住友不<8830.T>、東建物<8804.T>などの不動産株や、近鉄エクス<9375.T>、三井倉HD<9302.T>などの倉庫運輸関連株も売られた。SUMCO<3436.T>、ノーリツ<5943.T>などの金属製品株や、信越化<4063.T>、昭電工<4004.T>などの化学株も値を下げた。

 半面、INPEX<1605.T>などの鉱業株が堅調。JAL<9201.T>、ANA<9202.T>などの空運株や、東急<9005.T>、京急<9006.T>などの陸運株も買われた。オリックス<8591.T>、クレセゾン<8253.T>などのその他金融株も引き締まった。

 個別では、乃村工芸<9716.T>、ヒトコムHD<4433.T>、コジマ<7513.T>、ダイコー通産<7673.T>、フェリシモ<3396.T>などの下げが目立った。半面、SHIFT<3697.T>、UNEXTH<9418.T>、システムソフト<7527.T>、竹内製作<6432.T>、インプレス<9479.T>などの上げが目立った。なお、東証業種別株価指数は全33業種中、26業種が下落した。

(写真:123RF)

提供:モーニングスター社

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