<特集>魅力の中小型株(1)=不透明感払しょくしきれず、個別銘柄の厳選で

株式

2021/7/16 17:00

 日経平均株価は年明け以降の下値のフシとなってきた2万7500円の水準に接近する場面がみられるなど、足元はさえない展開となっている。これまで市場を揺さぶってきた米国のインフレ懸念についてはパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)が現地14日の議会証言で「一時的」との見方を変えず、テーパリング(金融緩和の縮小)へと向かう政策の変更についても「景気の回復が一段と進む必要がある」との認識を示した。これを受けて、米国の長期金利は低下、NYダウやナスダック総合指数は史上最高値圏で推移する。

 一方、各国でデルタ株による新型コロナの感染拡大が続く。国内ではワクチンの供給減少も大きな問題となっている。ワクチンが手当てできず、接種の予約を停止したり、制限する自治体が相次いでおり、接種の停滞による感染ペースの再加速、経済にあたえる影響などが懸念される状況。これが日本株の上値を抑える一因となっていることは間違いないだろう。

 大きなイベントとしては、7月の最終週には22年3月期第1四半期(4-6月)決算の発表が本格化する。業種によってばらつきはあるものの、コロナ禍からの回復と増額修正が期待される銘柄も多いだけに、ここのきての様子見、手控えムードの広がりは致し方ないところか。不透明感が拭いきれないなかでは、厳選した中小型株への投資で対処したい。

提供:モーニングスター社

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