<新興国eye>ハンガリー中銀、政策金利を0.3ポイント引き上げ

新興国

2021/7/28 10:29

 ハンガリー中央銀行は27日の金融理事会で、主要政策金利であるベース金利(準備預金への付利金利)を0.3ポイント引き上げ、1.2%とすることを決めた。また、今回の会合では、ベース金利の上下幅(コリドー)の下限を示す翌日物預金金利を0.25%、上限を示す翌日物有担保貸出金利と7日物有担保貸出金利をそれぞれ2.15%と、いずれも同率引き上げた。前回6月会合では、ベース金利だけを引き上げていた。

 中銀は会合後に発表した声明文で、「6月のインフレ率は前年比5.3%上昇(5月は5.1%上昇)、コアインフレ率も同3.8%上昇(同3.4%上昇)と伸びが加速し、インフレ率は中銀の経済予測や市場予想を超え、インフレ見通しの上振れリスクが高まった」と、インフレ加速懸念を一段と強めた。

 インフレ見通しについては、「年末まで中銀の物価上昇の許容レンジを超える可能性が高い」としたが、「22年初めには許容レンジ内に収まり、22年半ばごろから物価目標(2-4%上昇)の水準で安定する」と見ている。

 中銀は前回会合から、インフレ加速リスクを防ぐため、金融引き締めに転換した。今回の会合でも、「物価安定とインフレ期待の抑制、インフレ加速の2次的影響を回避するため、確固として、月ベースで利上げサイクルを継続することが正当化される」とし、追加利上げの継続を明言した。

 市場では、インフレ率が物価目標に落ち着くまで中銀は追加利上げを行うと見ており、次回8月会合でも0.3ポイントの利上げを予想。金利先物市場では今後3カ月以内にベース金利が1.8%に引き上げられる見通しを織り込んだ。

 次回の金融政策決定会合は8月24日に開かれる予定。

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iS新興国<1362.T>、上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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