<一撃!裏銘柄>切り口豊富な獣害・土砂災害対策銘柄

株式

2021/7/29 15:33

 土砂災害・獣害対策の穴株として日亜鋼業<5658.T>をマークしたい。

 同社は日本製鉄<5401.T>系の鉄鋼2次製品大手メーカーで、鉄線や亜鉛めっき鉄線、自動車産業向け硬鋼線・ピアノ線、鉄骨構造物接合用高力ボルト、撚(よ)り線、フェンスなどを展開。耐久性に優れた落石防護網や補強土壁を手掛け、里山での土砂崩れや水害対策用途で引き合いが強まりそうな状況だ。

 サンカラーワイヤーの生産能力を増強するなど、需要対応は万全となっており、今後は河川の護岸ブロックなどの拡販にも期待が掛かる。また、イノシシやシカ用の防護柵(さく)など獣害対策品も手掛け、耐食性と防護性の強さから、近年深刻さを増すクマ被害対策への転用に加え、太陽光発電所、ゴルフ場向けなど用途拡大も視野に入る。

 21年3月期の連結営業利益は前々期比14.8%減の14億9000万円となったものの、前年の利益急伸による反動減による部分が大きく、19年3月期比では拡大した。今期の業績見通しは非開示だが、特殊線材製品がコスト低減により黒字転換していることや、各工場で燃料転換工事を推進し、燃料費低減効果が見込めることなどから、上期にかけては利益増勢の展開が見込めそうだ。

 テクニカル的には、28日に日足のパラボリックが陽転。週足のストキャスティクスやRSI(相対力指数)、サイコロジカルラインなどオシレーター系指標が軒並み中低位にあるなど過熱感は皆無。週足一目均衡表の先行スパン上限(28日現在297円)を意識した展開となっており、この水準を明確に上抜けてくるようなら、株価上昇への弾みとなるだろう。

 PBR(株価純資産倍率)は約0.3倍と、バリュエーションの割安感は抜群。土木向けの災害対策や農業向け獣害対策、学校向けフェンス受注増、自動車生産の回復、燃料費低減進展など多くの切り口・ポジティブ材料を追い風に、ここからは利益拡大と株価上昇が意識されそうだ。

提供:モーニングスター社

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