「SBI日本株4.3ブル」などレバレッジ型がトップ10入り、多様化する投信積立

投信

2021/8/4 14:24

 大手ネット証券3社の投信積立契約件数ランキング(月次、21年7月)では、SBIアセットマネジメントの「SBI日本株4.3ブル」や大和アセットマネジメントの「iFreeレバレッジNASDAQ100」などレバレッジ型ファンドがトップ10に入った。トップ3は6月と同様で、第1位と第2位は、7カ月連続で三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」になり、第3位は2カ月連続でSBIアセットの「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」になった。

 ランキングは、定期的に月次の投信積立契約件数トップ10を公表しているSBI証券、楽天証券、マネックス証券の公開情報を使用。各社ランキング1位に10点、以下、順位が落ちるたびに1点を減点し、第10位を1点として、3社のランキング10位までのファンドの点数を集計した。

 レバレッジ型ファンドは、先物取引等を活用することによって、連動対象の株価指数の変動率に対し、数倍の比率で大きく動くことを意図したファンドだ。「SBI日本株4.3ブル」は、日々の値動きが国内株式市場の変動率の4.3倍の値動きをめざす。また、「iFreeレバレッジNASDAQ100」は、NASDAQ100指数の変動率の2倍程度の動きをめざすファンドになっている。

 従来は、レバレッジ型ファンドは市場のタイミングをみて、株価が大きく下落した時に、株価の反発を見込んで購入し、狙い通りに反発したら解約するというような、超短期の売買に主として活用されてきたファンドといえる。ところが、投信積立契約とは、毎月一定額を数カ月、あるいは、数年間にわたって続けることを前提とした長期投資の手段だ。積立契約を実行するということは、その対象指数である国内株式指数やNASDAQ100などが、長期的にみれば、現在の水準よりも値上がりするであろうという見通しで購入しているということになる。

 たしかに、理屈の上では、レバレッジ型ファンドの積立は、レバレッジが効くことによって、下落局面では、より大きく基準価額が下落するために、より多くの口数を購入することが可能となり、反対に、値上がり局面であれば、通常のインデックスファンドよりも、4.3倍なり、2倍なり大きな収益につながる。将来の値上がりが確実と考える指数を対象としてレバレッジ型ファンドを積立購入することは間違ってはいないといえる。むしろ、価格変動が大きいからこそ、投資タイミングを分割して積立投資を行うという理屈も間違ってはいない。

 ただ、NASDAQ100は、リーマンショック後の2009年初頭から12年半にわたって、ほぼ一本調子に値上がりしてきている。もし、現在がピークで、これから同じようなペースで下げて、同じように上がってくるとすれば、次に、現在の高値を取り戻すのは25年後ということになる。同じようなことが国内株価指数にもいえる。もちろん、ここから上下動を繰り返しながらも、徐々に上値を切り上げていくという相場になるかもしれない。また、これまでの株価の推移は、レバレッジをかけていてもいなくても、同じことがいえるのだが、レバレッジ型の場合は、下落時のダメージが通常に倍して大きいということが違う。

 さらに、トップ10には入っていないが、「アライアンスバーンスタイン米国成長株投信Dコース」や「グローバルAIファンド(予想分配金提示型)」などのアクティブファンドも、ネット証券3社の個別の積立契約上位ファンドに入ってきている。アクティブファンドは、信託報酬などの運用コストが、インデックスファンドの数倍に相当することなどが嫌われて、積立契約の上位には入ってこなかった。ネット証券では投信関連の手数料が非常に低く抑えられているため、長期に値上がりが期待できる投信は、アクティブファンドも積立の主要な選択肢に入ってきているということだろう。

 一時期は、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim」シリーズなど限られた低コストのファンドが投信積立の対象ファンドだった。しかし、「SBI・V」シリーズなどの新しい低コストファンド群の台頭などもあって、非常に幅広いファンドが投信積立の対象になってきていることがわかる。それだけ、投信積立が資産形成手段として定着し、様々なニーズやリスク許容度の投資家が投信積立を利用するようになってきたということだろう。今後の投信積立ベスト10の顔ぶれの変化に注目していきたい。

提供:モーニングスター社

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