日経平均は68円高と3日続伸、一時下げ転換も持ち直す、空運・陸運株や医薬品株など上昇=10日後場

 10日後場の日経平均株価は前週末比68円11銭高の2万7888円15銭と3営業日続伸。朝方は、好決算銘柄を中心に買いが先行した。円安・ドル高も支えとなり、上げ幅を拡大し、一時2万8128円61銭(前週末比308円57銭高)まで上昇した。一巡後は、麻生財務相が「今新たに経済対策や補正予算の編成は行っていない」と発言したと伝わり、前場終盤にかけて先物売りに大きく伸び悩んだ。昼休みの時間帯に時間外取引の米株価指数先物が軟調に推移したこともあり、後場入り後には下げに転じる場面もあった。その後は、再度プラス圏に持ち直したが、大引けにかけてはやや上値が重くなった。なかで、空運・陸運株や医薬品株などが上昇した。

 東証1部の出来高は10億8759万株、売買代金は2兆6076億円。騰落銘柄数は値上がり1311銘柄、値下がり790銘柄、変わらず88銘柄。

 市場からは「決算内容は悪くない印象だが、海外投資家で決算プレーに動くのは短期マネーが主体だ。弊社は売り買いフラットで方向性のカラーはあまりない」(欧州系証券)との声が聞かれた。

 業種別では、JAL<9201.T>、ANA<9202.T>などの空運株が上昇。塩野義薬<4507.T>、大塚HD<4578.T>、第一三共<4568.T>などの医薬品株や、JR西日本<9021.T>、JR東海<9022.T>、JR東日本<9020.T>などの陸運株も高い。ブリヂス<5108.T>、住友ゴム<5110.T>などのゴム製品株や、エムスリー<2413.T>、オリエンタルランド(OLC)<4661.T>などのサービス株も堅調。JFE<5411.T>、神戸鋼<5406.T>などの鉄鋼株や、東レ<3402.T>、デサント<8114.T>などの繊維製品株も値を上げた。第一生命HD<8750.T>、T&DHD<8795.T>、かんぽ生命<7181.T>などの保険株も買われた。

 半面、任天堂<7974.T>、バンナムHD<7832.T>などのその他製品株が下落。住友鉱<5713.T>、UACJ<5741.T>などの非鉄金属株や、コスモエネH<5021.T>、出光興産<5019.T>などの石油石炭製品株も軟調。川崎汽<9107.T>、商船三井<9104.T>などの海運株や、大和ハウス<1925.T>、鹿島<1812.T>などの建設株も安い。日電硝子<5214.T>、AGC<5201.T>などのガラス土石株も値を下げた。

 個別では、チャームケア<6062.T>、藤コンポ<5121.T>、ローランドD<6789.T>、T&Gニーズ<4331.T>、ウィルG<6089.T>、グローブライ<7990.T>がストップ高。半面、りらいあ<4708.T>、ASB機械<6284.T>、日本プラスト<7291.T>、GMOペパボ<3633.T>、加藤製<6390.T>などの下げが目立った。なお、東証業種別株価指数は全33業種中、20業種が上昇した。

(写真:123RF)

提供:モーニングスター社

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