来週の東京外国為替市場見通し=FOMCでの米雇用情勢や物価の評価を見極め

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2021/9/17 16:32

予想レンジ:1ドル=108円70銭-111円65銭

 13-17日のドル・円は下落した。週初13日は、日本株の上昇を背景に投資家心理が改善、堅調に推移した、14日は、米8月CPI(消費者物価指数)が弱い結果となり、早期テーパリング(量的緩和の縮小)観測が後退、ドル売りが強まった。15日のドル・円は下押し。中国恒大集団の債務問題が意識され投資家心理が悪化、ドル売り・円買いに傾いた。16日は、米8月小売売上高が前月比減少の市場予想に反して増加したものの、内訳をみると、飲食店の売上は7月から横ばいと振るわず、デルタ株の感染拡大の影響が出ているとの見方が出たこともあり、ドル売り優勢となった。

 21-22日にFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催される。今回はメンバーのドットチャート(政策金利見通し)の更新があり注目。市場では年内のテーパリング(量的緩和の段階的縮小)は既定路線となっているが、9月第1週に発表された米8月雇用統計が弱い結果となったほか、デルタ株の感染拡大で先行きには不透明感がある。また、高止まりしている物価について、FRB(米連邦準備制度理事会)は一時的なものとしているが、米8月CPIなどの結果を受けたFRBの見解に変化があるかも見極めたい。

 21-22日は、日銀金融政策決定会合が開催される。新規感染者数は減少傾向にあるものの、依然として医療体制のひっ迫などから都市部を中心に緊急事態宣言下にあり、経済活動の正常化が見通せない中で、緩和的な金融政策は継続される見通し。市場は織り込み済で、同会合の結果を受けた反応は限られそうだ。

 ドル・円は110円を挟み方向感の出にくい展開が継続しやすい。25日線(109円80銭近辺)、13週線(110円7銭)、26週線(109円70銭)と主要な移動平均線が集中しており、動きづらい。ドル・円の上値メドは年初来高値の111円65銭近辺、下値メドは8月安値の108円70銭近辺とする。

提供:モーニングスター社

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