日経平均は601円安と大幅反落、3万円割れ、中国恒大懸念に海外株安でリスク回避=21日前場

 21日前場の日経平均株価は前週末比601円48銭安の2万9898円57銭と大幅反落。取引時間中での3万円割れは9日以来7営業日ぶり。中国不動産大手、中国恒大集団の資金繰り懸念から20日の海外市場で株安が進んだ流れを受け、リスク回避の売りが先行した。下げ幅を拡大し、前場早々には2万9832円52銭(前週末比667円53銭安)まで下落した。その後、時間外取引の米株価指数先物高もあって、いったん下げ渋ったが、戻りは限定され、前引けにかけて安値圏で推移した。

 東証1部の出来高は6億8883万株、売買代金は1兆7292億円。騰落銘柄数は値上がり156銘柄、値下がり1995銘柄、変わらず36銘柄。

 市場からは「中国恒大問題は一時的なものとみている。中国政府も動き出し、横に広がるとは考えにくい。むろん、余韻は残るが、大方を織り込めば、投資家心理も落ち着いてくるだろう。日経平均3万円割れで良い買い場を提供しているのではないか」(中堅証券)との声が聞かれた。

 業種別では、日本製鉄<5401.T>、JFE<5411.T>、神戸鋼<5406.T>などの鉄鋼株が下落。ダイキン<6367.T>、コマツ<6301.T>、クボタ<6326.T>などの機械株や、川崎汽<9107.T>、商船三井<9104.T>、郵船<9101.T>などの海運株も軟調。ソフバンG<9984.T>、ネクソン<3659.T>、スクエニHD<9684.T>などの情報通信株や、野村<8604.T>、マネックスG<8698.T>などの証券商品先物株も売られた。SUMCO<3436.T>、LIXIL<5938.T>などの金属製品株や、近鉄エクス<9375.T>、住友倉<9303.T>などの倉庫運輸関連株も安い。TOTO<5332.T>、東海カーボン<5301.T>などのガラス土石株もさえない。

 半面、JAL<9201.T>、ANA<9202.T>などの空運株が堅調。関西電力<9503.T>、北海道電力<9509.T>などの電気ガス株も高い。医薬品株では、第一三共<4568.T>が上昇。

 個別では、キャリアイン<6538.T>、フィルC<3267.T>、M&Aキャピタル<6080.T>、セレス<3696.T>などの下げが目立った。半面、旭ダイヤ<6140.T>、ダイセキS<1712.T>、サインポスト<3996.T>、井筒屋<8260.T>、アグレ都市<3467.T>などの上げが目立った。なお、東証業種別株価指数は全33業種中、30業種が下落した。

提供:モーニングスター社

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