日経平均は56円安と続落、終盤にかけ下げ幅縮小、中国・香港株高に配当再投資期待も支え=28日後場

 28日後場の日経平均株価は前日比56円10銭安の3万0183円96銭と続落。朝方は、売りが先行した。27日の米国株式市場で、長期金利上昇を背景にハイテク株が値を下げた流れを受け、半導体関連株などグロース(成長)株中心に売られ、前場の早い段階で3万0001円99銭(前日比238円07銭安)まで下落した。一巡後は下げ渋りの流れとなり、後場終盤には株価指数先物買いを交えて3万0207円63銭(同32円43銭安)まで引き戻す場面があった。中国・上海総合指数や香港ハンセン指数が高く、配当再投資期待も支えとして意識された。

 東証1部の出来高は15億677万株、売買代金は3兆8105億円。騰落銘柄数は値上がり1033銘柄、値下がり1057銘柄、変わらず96銘柄。

 市場からは「配当再投資をにらんだ先回り買いもあろうが、利益確定売りも出ている。中国恒大の債務問題については極端な事態にはならないとみられるが、その影響は依然として不透明であり、動きづらい面がある」(準大手証券)との声が聞かれた。

 業種別では、川崎汽<9107.T>、郵船<9101.T>、商船三井<9104.T>などの海運株が下落。テルモ<4543.T>、オリンパス<7733.T>、島津製<7701.T>などの精密株や、JAL<9201.T>、ANA<9202.T>などの空運株も軟調。任天堂<7974.T>、バンナムHD<7832.T>などのその他製品株や、エムスリー<2413.T>、サイバー<4751.T>などのサービス株も安い。九州電力<9508.T>、東ガス<9531.T>などの電気ガス株や、小野薬<4528.T>、塩野義薬<4507.T>などの医薬品株も値を下げた。

 半面、INPEX<1605.T>、石油資源<1662.T>などの鉱業株が堅調。東レ<3402.T>、帝人<3401.T>などの繊維製品株も高く、三菱UFJ<8306.T>、三井住友<8316.T>、ゆうちょ銀行<7182.T>などの銀行株も買われた。住友鉱<5713.T>、住友電工<5802.T>などの非鉄金属株や、出光興産<5019.T>、コスモエネH<5021.T>などの石油石炭製品株も引き締まった。TOTO<5332.T>、ガイシ<5333.T>などのガラス土石株も値を上げた。

 個別では、グリーンズ<6547.T>がストップ安となり、サカイオーベ<3408.T>、東邦システム<4333.T>、ギフティ<4449.T>、シンプレHD<4373.T>などの下げも目立った。半面、JNS<3627.T>、ジューテック<3157.T>、ブラス<2424.T>、DmMiX<7354.T>、ぴあ<4337.T>などの上げが目立った。なお、東証業種別株価指数は全33業種中、18業種が下落した。

(写真:123RF)

提供:モーニングスター社

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