9月FOMC議事録、「早ければ11月中旬にテーパリング開始」の可能性示唆

経済

2021/10/14 10:56

<チェックポイント>

●「テーパリング終了は22年半ばごろが適切」で一致

●月150億ドルペースのテーパリングについて議論

●今後2年は事実上ゼロ金利政策が正当化される可能性が高い

 FRB(米連邦準備制度理事会)は13日、FOMC(公開市場委員会)議事録(9月21-22日開催分)を公表した。それによると、テーパリング(量的緩和の段階的縮小)について、次回FOMC(11月2-3日)でテーパリングの開始を決定した場合、11月中旬か、または、12月中旬から開始される見通しを示していることが分かった。また、テーパリングの終了時期については、22年半ばごろが適切との見方で一致した。

 9月FOMCでは、FRBの事務局がテーパリング開始のスケジュールのたたき台をFOMC委員に提示し、それに対する委員の意見を集約する形で、議論が行われたことが明らかになった。たたき台は、「市場とのコミュニケーションが容易で、ネットベースの資産買い入れペースの段階的縮小となるように設計され、22年半ばごろに終了する」とし、減額ペースについては、「国債は月100億ドル、MBS(不動産担保証券)は月50億ドルのペースとする」とした。9月FOMCでは、国債買い入れ目標を月800億ドル、MBSを月400億ドルと、いずれも据え置いている。

 これに対し、2人の委員は、「こうしたテーパリングのスケジュールを一般に事前通知することで、テーパリングによる金融市場の混乱リスクを減らすことが可能になる」と述べ、数人の委員からは、「このスケジュール案で指摘されているよりも資産買い入れの減額ペースを速めることが望ましい」との意見が示された。

 また、議事録によると、「委員は景気回復が概ね軌道に乗っていることを条件として、22年半ばごろに段階的な縮小プロセスが終了することが適切」との判断が示されたとしている。

 テーパリングの開始時期については、パウエル議長は9月会合後の会見で、「早ければ次回会合から開始し、テーパリングは徐々に行われ、22年半ばごろに終了する」との見通しを初めて示して注目されていたが、同議長の見解はほぼFOMCのコンセンサスだったことが分かる。

 市場ではテーパリングに続いて、FRBはインフレ加速を阻止するための利上げ開始時期に焦点を置いている。ただ、議事録では多数の委員から、「今後2年は事実上のゼロ金利政策を正当化する可能性が高い」と言及しており、早期利上げには慎重だ。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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