<一撃!裏銘柄>環境関連で材料豊富、割安感も強く株価反転へ

株式

2021/10/14 12:01

 割安な出遅れ株として日本コンクリート工業<5269.T>を狙いたい。

 同社はコンクリートポール(柱)やパイル、シールドトンネル用コンクリート内壁材など扱うプレキャスト製品の大手。ポールでは国内最大手に位置し、パイルでもトップクラスだ。

 注目は環境分野。エコタンカル(コンクリートスラッジを固液分離した液体に対して、工場のボイラー排気ガス中に含まれるCO2<二酸化炭素>を固定化させた軽質炭酸カルシウム)を用いた環境負荷低減型の「G-ONAパイル」を開発したことで、従来品比でCO2の排出量40%削減を達成した。

 また、世界で唯一実用化されている鹿島<1812.T>のCO2吸収型コンクリートと同社のエコタンカルを組み合わせ、大幅にCO2を削減できる「カーボンネガティブコンクリート」の製造技術で共同研究を始めるなど、革新的な技術進化へ意欲を見せる。未利用資源の有効活用でも実績を積み重ねるなど、環境に対する取り組みが中・長期的な評価材料と言える。

 22年3月期の連結業績は、売上高が560億円(前期比14.6%増)、営業利益は25億円(同9.0%減)を計画。携帯電話基地局向けのポール需要が好調なほか、防災・減災、国土強靭(きょうじん)化、災害復旧に資するコンクリート製品や法面(のりめん)補強工事の需要も旺盛。リニア中央新幹線向けRCセグメントの生産開始に加え、関東地区での大型土木案件に注力していることもあり、見通しは保守的に映る。

 2024年3月期を最終年度とする新中期経営計画では、売上高640億円、経常利益42億円、ROA(総資本利益率)5.1%(前期は4.4%)、配当金13円(今期予想9円)を展望。PER約9倍、PBR(株価純資産倍率)0.4倍台、配当利回りは今期予想ベースで約3%と割安感が強い。ストキャスティクスは日足・週足とも売られ過ぎを示唆し、株価が年初来安値近辺で推移していることも相まって、見直し・浮上余地を大いに感じさせる。

提供:モーニングスター社

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