<新興国eye>トルコ中銀、政策金利16%に引き下げ―市場予想上回る大幅利下げ

新興国

2021/10/22 11:59

 トルコ中央銀行は21日の金融政策決定会合で、主要政策金利である1週間物レポ金利を18.00%から16.00%に2.00ポイント引き下げることを決めた。市場は1.00ポイントの利下げを予想していたため、サプライズとなった。

 中銀は新型コロナのパンデミック(世界的大流行)からの景気回復による急速なインフレ上昇を抑制するため、20年9月から利上げサイクルに入り、利上げ幅が20年以降で計10.75ポイントに達したため、22年4月から8月まで5会合連続で政策金利を据え置いていた。しかし、前回9月会合で利上げが行き過ぎたとして、20年5月以来、1年4カ月ぶりに利下げに転換。これで利下げは2会合連続となる。

 中銀は会合後に発表した声明文で、追加利下げについて、「金融引き締めの効果が低下しており、反対に景気後退リスクが高まったとして景気を支援するため」としている。

 金融政策の見通しについて、前回会合時と同様、「インフレ指標が持続的に低下し、中期の物価目標である5%上昇に収束するまであらゆる政策手段を使う」としたが、「年末まで、供給側の一時的な要因が続くことにより、政策金利の引き下げ余地が狭められている」と指摘し、今後の利下げに慎重な姿勢を示した。

 中銀は9月会合で「インフレ指標が持続的に低下し、中期の物価目標である5%上昇に収束するまで、政策金利はインフレ率を絶えず上回る水準で決められる」とのフォワードガイダンス(金融政策の指針)を削除し、利下げサイクルに転換した。

 ただ、市場は、利下げ転換により通貨トルコリラが21年に入り20%超急落し、インフレが加速するリスクが高まっているため、中銀の利上げ転換は的外れだとして批判的だ。

 次回の金融政策決定会合は11月18日に開かれる予定。

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 上場MSエマ<1681.T>

提供:モーニングスター社

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