米8月S&PコアロジックCS住宅価格指数、前年比19.8%上昇

経済

2021/10/27 10:43

<チェックポイント>

●20都市圏の前年比伸び率、市場予想に届かず

●フェニックスは前年比33.3%上昇―27カ月連続で上昇率トップ

●住宅価格の上昇ペースは鈍化し始めた可能性がある―S&P専門家

 米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が26日発表した米8月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数(季節調整前)は、一戸建て中古住宅の価格動向を示す総合指数である全米住宅価格指数が前月比1.2%上昇の268.62と、7月の同1.7%上昇を下回ったが、季節要因を無視できる前年比は19.84%上昇と、1988年以来33年ぶりの高い伸びとなった7月の19.75%上昇をやや上回った。

 市場が最も重視している主要20都市圏の価格指数(季節調整前)は前月比0.9%上昇の274.99と、7月の同1.7%上昇を下回った。前年比は19.7%上昇となり、7月の20%上昇と市場予想の20%上昇をやや下回った。

 都市別の前年比はフェニックスが33.3%上昇と、最も高い伸びを示し、27カ月連続でトップとなった。次いで、サンディエゴの26.2%上昇、タンパの25.9%上昇、ダラスの24.6%上昇、シアトルの24.3%上昇、ラスベガスとマイアミが同率の23.8%上昇、シャーロットの21.7%上昇、デンバーの21.5%上昇、サンフランシスコの21.2%上昇、アトランタの20.2%上昇と、いずれも全国平均(19.8%上昇)を上回った。

 このほか、ポートランドは19.2%上昇、ロサンゼルスは18.4%上昇、ボストンは17.7%上昇、ニューヨークは17.2%、デトロイトは15.7%上昇、クリーブランドは15.5%上昇などとなっている。20都市のすべてが上昇したが、大半は伸びが減速した。前年比の伸びが7月に比べ加速したのは8都市となり、7月の17都市から減少している。

 主要10都市圏の価格指数(季節調整前)は前月比0.8%上昇の287.17となり、7月の同1.3%上昇を下回った。前年比は18.6%上昇となり、7月の19.2%上昇を下回った。価格指数は金融危機前の06年6月のピーク(226.29)より26.9%高く、30カ月連続で上回っている。

 S&P500指数を運営している米S&Pダウジョーンズ・インデックスのマネージング・ディレクター兼指数管理担当責任者であるクレイグ・ラザラ氏は、「8月の全米住宅価格の伸びは7月を上回ったが、ペースが遅くなった。8月データを見ると、住宅価格の伸びは依然強いが、ペースが鈍化し始めた可能性がある」と指摘している。

 市場では住宅ローン金利が上昇し始めている一方で、住宅在庫(供給)が不足しているため、引き続き旺盛な住宅取得需要が住宅価格を押し上げると見ている。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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