<新興国eye>ポーランド中銀、市場予想通り政策金利を0.75ポイント引き上げ―市場予想通り

新興国

2021/11/4 13:07

 ポーランド中央銀行は3日の金融政策委員会で、主要政策金利の7日物レファレンス金利をこれまでの過去最低水準の0.50%から0.75ポイント引き上げ、1.25%とすることを決めた。市場予想通りだった。また、ロンバート金利と再割引金利、公定歩合、預金金利もそれぞれ1.75%、1.3%、1.35%、0.75%に引き上げた。

 中銀は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による経済への悪影響を抑制するため、20年3月17日の緊急会合で5年ぶりに0.50ポイントの大幅利下げを決め、その後も5月まで3会合連続で引き下げた。利下げ幅が計1.40ポイントに達したことを受け、6月会合で据え置きに転じ、21年に入っても9月会合まで14会合連続で金融緩和政策を継続していた。利上げは前回10月会合(0.40ポイント利上げ)に続いて2会合連続となる。

 中銀は2会合連続の利上げについて、声明文で、「最新の11月経済予測でさらなる景気回復と良好な労働市場の状況が予想されており、金融政策のタイム・ホライズン(時間軸)でインフレが高水準のまま持続するリスクがある。このリスクを軽減するため、つまり、中期的にインフレ率を物価目標にまで引き下げるため、利下げを決めた」としている。

 10月のインフレ率は前年比6.8%上昇と、9月の同5.8%上昇を上回り、インフレが急加速している。中銀が今回の会合で発表した最新の11月経済予測では、21年のインフレ率の見通しを4.8-4.9%上昇の範囲になると予想し、前回7月予測の3.8-4.4%上昇の予想を大幅に引き上げた。22年は5.1-6.5%上昇(前回予測は2.5-4.1%上昇)、23年は2.7-4.6%上昇(同2.4-4.3%上昇)と予想している。

 中銀は最近のインフレ加速の要因について、「世界的なエネルギー価格と農産物価格の上昇など、国内の金融政策では制御できない外的要因に大きく起因している。コモディティ(国際相場商品)や電気料金と廃棄物処理料金の上昇、さらには世界的なサプライチェーンと国際輸送の寸断、持続する国内の景気回復も物価上昇に拍車をかけている」と指摘している。

 また、経済成長率の見通しについては、21年が前年比4.9-5.8%増(同4.1-5.8%増)、22年は同3.8-5.9%増(同4.2-6.5%増)、23年は同3.8-6.1%増(同4.1-6.5%増)と予想し、21年は上方修正したが、22年と23年はいずれも下方修正した。

 次回の会合は12月8日に開かれる予定。

<関連銘柄>

 上場EM債<1566.T>、上場MSエマ<1681.T>

提供:モーニングスター社

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