Ubicomが22年3月期の第2四半期累計決算を発表、中期目線の戦略的投資を吸収し過去最高益更新

株式

2021/11/11 17:04

 Ubicomホールディングス<3937.T>は11日大引け後、2022年3月期の第2四半期累計(4-9月)決算を発表した。

 連結売上高は22億6800万円(前年同期比8.4%増)、営業利益は4億3500万円(同10.7%増)、経常利益は4億7800万円(同26.7%増)、純利益は3億5000万円(同37.4%増)だった。成長領域への取り組みとレジリエンス経営の徹底により、外部環境の変化に左右されにくい高収益モデルを確立していることで、DX(デジタルトランスフォーメーション)人材や知財などにかかわる戦略的投資を前倒しで実施しながらも増収増益を達成し、第2四半期累計における過去最高益を更新した。

 フィリピン子会社を活用してソリューション開発を手掛けるグローバル事業は、大手PC(パソコン)メーカーなどピラー(主要)顧客やソリューションの受注獲得が継続した。また、公共関連企業をはじめとしたアライアンス型のラボ開発モデルをさらに強化するため、「Ubicom開発パートナーシップ」を推進し、顧客のピラー化と高収益化(単価アップ)を実現している。

 エンタープライズ事業部においては、日本における上流経験や積極的な人材投資を継続したことで、金融、公共のほか、IBM以外のプロジェクトが増えており、下期(21年10-22年3月)以降にビジネスが拡大する見通しだ。コロナ禍におけるDX化をチャンスととらえ、さらなる事業拡大に向け先端IT人材投資を中心に戦略的投資も実行している。大手半導体商社、通信メーカーなど、将来に向けたピラー顧客の育成も好調だ。

 医療経営支援ソリューションのメディカル事業については、本格ローンチしたレセプトチェックシステム「Mighty Checker EX」が寄与し、売上トップクラスの医療グループ内病院における導入も含め、Mightyシリーズのパッケージ販売に関わるストック型売上は順調に拡大した。高収益サブスクリプション型ビジネスモデルを確立した上、収益率の低い案件の絞り込み、価格政策の実行もあり、セグメント利益が大幅に改善し、営業利益率は53.9%となった。新型コロナ対策としてWebを活用した営業、サポートに移行したことからダイレクトアカウント(直接販売)獲得を推進し、より一層の利益率向上にも取り組む。

 これに加え、保険会社向け新ソリューション「保険ナレッジプラットフォーム」は複数の大手保険会社との実証実験を開始しており、Mightyシリーズに続く将来の新たなサブスクの収益源の確立を目指す。さらに、その他データ分析(健保組合、学会)など、医療のデジタル化に関する新事業も積極的に立ち上げている。

 22年3月期業績は期初予想を据え置き、売上高49億6300万円(前期比18.2%増)、営業利益10億7900万円(同17.4%増)、経常利益11億400万円(同25.9%増)、純利益8億1100万円(同30.2%増)で、連続最高益更新の見通しだ。なお、同社予想は保守的な傾向がある上、今回の計画にはアライアンスによる開発力の増強やプラットフォームビジネスの推進などによる収益寄与分は入っていないことから、22年3月期もこれまで同様、計画の上ブレが期待される。

提供:モーニングスター社

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