テンポイノベ、プライム市場を選択し、毎期10-20%成長で28年3月期に時価総額2倍超を目指す

株式

2021/12/15 16:03

 テンポイノベーション<3484.T>は15日、東証の市場区分見直しに係る市場選択において、プライム市場を選択するとともに、新市場区分の上場維持基準適合に向けた計画書を公開した。

 同社の時価総額は146億円(11月30日時点)であるものの、流通株式比率が35.4%であることから、流通株式時価総額は52億円にとどまり、プライム市場の上場維持基準(流通時価総額100億円以上)未達となっている。同社計画書によると、継続的な業績向上により時価総額の上昇させることを主軸とし、その後、必要に応じて流通株式比率の向上に向けた取組を行うことで、2028年3月期までに流通時価総額の基準適合を図るという。

 時価総額の上昇については、メドとして毎期10-20%の増収増益を継続することで、2028年3月期に時価総額を直近の2倍超となる300億円規模に上昇させ、流通株式時価総額を100億円以上とする計画だ。

 上場維持基準適合までの期間として、28年3月期までとはやや長い印象もあるが、同社の店舗転貸借事業は市場開拓余地が大きく、長期安定的な成長に適したストック型ビジネスであるため、継続的な業績向上がしやすいという点が背景にある。逆にいえば、一件一件厳選して仕入れた店舗物件の積み重ねで業績が向上するという事業特性から、短期的な急成長は難しく、時価総額の急上昇も想定しにくいようだ。

 コロナの収束時期については、変異株の動向などもあり、不透明感が残る状況であるものの、同社はコロナ前には収益共に20%程度の高成長を継続していたことを鑑みると、コロナが収束に向かうにつれて成長性もコロナ前の水準に回帰していく可能性は十分にあろう。

 また、アフターコロナにおいても、しばらくは飲食店の収益見通しに不透明感が残ることが想定され、初期費用と固定費の抑制は多くの飲食事業者にとって主要テーマであり続けると考えられる。その点、東京23区を中心とした好立地・小型・低家賃の居抜き物件に強みを有する同社は、時流に乗った展開が期待できよう。

提供:モーニングスター社

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