来週の日本株の読み筋=年末高期待残るも方向感なく推移か

国内市況

株式

2021/12/24 16:33

 来週(27-30日)の東京株式市場は、状況次第で年末高期待も残るが、欧州を中心に新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化するなど油断できない要素は多い。2021年最終週は市場参加者も限定される中で、方向感なく推移する可能性がある。

 東証1部の売買代金は22-24日と3日連続で2兆円に届かず、24日は1兆6000億円台にとどまった。足元の日経平均株価は2万9000円を視野に入れているが、その前後は戻り売りが膨らみやすいゾーンにも当たり、簡単には突破できないと考える向きが多い。売買代金は引き続き低水準にとどまるとみられ、2万9000円に差し掛かる水準でもみ合う展開が見込まれる。頓挫が懸念されるバイデン米大統領の大型歳出法案に絡んでも、年内の同国議会はこう着したままだろう。新たな手掛かりが乏しい中で、指数は大きく変動しにくいという想定が基本線だ。

 ただし、薄商いを突く買い仕掛けなどで指数が意外高した場合は、一気の需給好転による掉尾(とうび)の一振の実現も考えられる。半面、リスクオフ再燃の要因としては、日本を含む世界各国でのオミクロン株の情勢が挙げられる。経口治療薬の実用化を控えることもあり、マーケットには一定の耐性があるものの、それを上回る爆発的な感染者数の増加は資金を逃がす口実になる。

 スケジュール面では、国内で27日に12月16、17日開催の日銀金融政策決定会合の「主な意見」、28日に11月失業率・有効求人倍率、11月鉱工業生産などが発表される。海外では28日に米10月FHFA住宅価格指数、米10月S&PコアロジックCS住宅価格指数などが予定されている。

提供:モーニングスター社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ